「大動脈解離」を発症すると「背中にどんな前兆症状」が現れる?医師が徹底解説!

「大動脈解離」を発症すると「背中にどんな前兆症状」が現れる?医師が徹底解説!

大動脈解離を発症すると背中のどこに痛みを感じる?

大動脈解離の痛みとは、解離を起こした部位に応じて変化します。
血管壁には神経があり、裂ける時に激しい痛みが起こり、引き裂かれるような痛みにともなって、全身に冷や汗をかきます。
血管が裂ける部位に応じて痛みが移動するのが特徴です。
例えば大動脈の根元から起きた解離では、痛みはみぞ落ちの辺りから始まり前胸部→肩→背中→腰と移動していきます。
また、解離に伴う痛みは大動脈壁が裂けるときに起きるので、解離がおさまると痛みがいったん消えるのが特徴的ですが、万が一痛みが消えても解離が治ったわけではありません。

大動脈解離を発症すると背中にどんな痛みを感じる?

大動脈解離とは、大動脈の血管壁が裂け、血液の通り道が、本来のものとは別にもうひとつできた状態であり、胸や背中に激痛が走り、大動脈が破裂したり、多くの臓器に障害をもたらしたりする重大な合併症を引き起こします。
大動脈解離の症状の一番の特徴は、突然、胸あるいは背中に杭が刺さるような激痛が走ることであり、解離が進むにつれ、痛みが胸から腹、脚など、体のいろいろなところに移動する場合があります。
基本的には、解離した場所や偽腔が血流をさえぎった場所によって、さまざまな症状が現われます。
特に、大動脈基部(心臓から出てすぐのところ)で解離が起こると、基部の拡張につれ大動脈弁も拡張して、血液が逆流する大動脈弁閉鎖不全症となります。
また、偽腔が冠動脈を塞ぐと、狭心症や心筋梗塞が起こり、胸の痛みや圧迫感が生じ、急性心不全を引き起こします。
かりに、偽腔が腹腔動脈や上・下腸管膜動脈を閉塞すると、腸管への血流がさえぎられ、腹痛や腰痛などの痛み症状が起こります。

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