「大動脈解離」を発症すると「背中にどんな前兆症状」が現れる?医師が徹底解説!

「大動脈解離」を発症すると「背中にどんな前兆症状」が現れる?医師が徹底解説!

大動脈解離の主な原因

高血圧やマルファン症候群など

急性大動脈解離症の主な原因は、動脈硬化や糖尿病、高血圧、喫煙、高脂血症、ストレス、睡眠時無呼吸症候群、マルファン(Marfan)症候群をはじめとした先天的な遺伝性疾患などが考えられており、特に高血圧は重要な危険因子となっています。
大動脈の壁に血液が流れ込む内膜の傷をエントリー、血液が流れ込むことで形成される大動脈壁内のスペースを偽腔、本来血液が流れている大動脈内腔を真腔と呼び、血管内腔に傷ができる原因は、高血圧や大動脈壁の脆弱性、動脈硬化などが複雑に絡み合っています。
遺伝的な関与として、マルファン症候群は、遺伝子の異常が原因で組織と組織を繋ぐ結合組織が弱くなり、全身で細胞の弾力性が弱くなる病気であり、血管壁を弱体化させて解離などを引き起こしたり、心臓弁に支障を起こしたりします。
その他、ごくまれに、大動脈造影検査や血管造影検査などのため、カテーテルの挿入時や心臓や血管の外科手術中に偶発的に発生する例もあります。

すぐに病院へ行くべき「大動脈解離の前兆」

ここまでは大動脈解離の前兆を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

強い胸部症状の場合は、循環器内科へ

急性大動脈解離は、大動脈の内膜に亀裂が入り、裂けた部分に血液が入り大動脈に平行して血管が剥がれて二層構造になってしまう疾患であり、生命に直結する病気です。
迅速かつ確実に治療をしないと、命を落とすリスクがあります。
大動脈解離には前兆といえるものがなく、発症の予測はきわめて困難であり、何の前触れもなく胸や背中に激痛が起こったら、迷わず救急車を呼んでください。
突然、胸や背中に激痛が走る病気で、様子を見ていて大丈夫なものはありません。
一刻も早く医療機関を受診する必要があり、強い胸部症状を認める際には、循環器内科など専門医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「大動脈解離の前兆」のセルフチェック法

・胸痛症状がある場合

・背部痛がある場合

・意識障害がある場合

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