鍼灸治療で生理痛の改善は可能か?!

鍼灸治療で生理痛の改善は可能か?!

■鍼灸治療は生理開始時の痛みに有効です

日常生活に支障をきたす生理痛の人は「月経困難症」と言われ、「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」の2つに分類されます。「機能性月経困難症」は、原因となる病気がない状態です。一般的に思春期から20代前半に多くみられます。
機能性月経困難症の人は、鍼灸治療が有効です。詳しいことは、JIJICO内コラムをご覧頂きたく思います。

「若者の生理痛は放置してはいけない?鍼灸治療で生理痛は良くなる?!」

「器質性月経困難症」とは、子宮や卵巣になんらかの病気が隠れている状態です。

1.子宮内膜症
2.子宮腺筋症
3.子宮筋腫
4.クラミジア感染
5.卵巣出血

などの病気が考えられます。20代後半から多くなり、症状は生理初日~3日目頃を過ぎても続き、生理期間以外にも痛みが生じることもあります。30歳から40歳代の人は、腹部に痛みを強く感じる時が続くようであれば、専門医の受診が必要です。
薬物を服用しても、生理痛の軽減が困難な時は、対症療法として鍼灸治療をご検討戴きたく思います。「対症療法」をご希望の人は、痛みがある時数回日を置かずに治療すれば、症状の軽減または消失が可能です。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患に鍼灸治療は対応可能ですので、薬物治療(内科治療)以外の治療を検討している人は、選択肢としてお考え戴きたく思います。「根本療法」をご希望の人は、疾患の程度により治療期間は異なりますが、月に1~4回の治療を10か月から14か月程度継続して行うと、病状の回復を見込める確率が高いと言えます。
薬物治療(内科治療)で効果を得られない人は、鍼灸治療(内外科治療)をご検討戴きたく思います。

■子宮内膜症や子宮筋腫の原因は生理の回数が多いから! 現代女性の生理の回数は昔の5倍!?

「器質性月経困難症」の人に一番多い子宮内膜症の原因はまだはっきりわかっていませんが、現在、下の3つの説が考えられています。

1)子宮内膜移植説(月経血逆流説)
通常腟を通って体外に排出される子宮内膜が、卵管を通っておなかの中に出て体内にとどまり子宮内膜症になるという考え方
2)体腔上皮化生説
お腹の臓器を覆っている薄い膜(腹膜)が、何らかの原因で子宮内膜に変化し、子宮内膜症を起こすという考え方
3)月経回数過多説
月経回数と子宮内膜症は深く関係しているため、一生のうちに経験する月経の回数が昔より多くなっているためという考え方
特に、3)の説が子宮内膜炎患者数の急増に大きく関与していると考えられています。

現代女性の一生の生理の回数は、約450回です。一方、昔の女性は約50~100回だったと言われています。約5倍違います。(現代女性の生理の回数「昔の5倍」という衝撃事実 排卵の回数が多いぶん、ダメージも大きくなる)
昔の女性は 10代で結婚して6~7人ほど子どもを産んでいました。妊娠中と授乳期間中は、生理がほぼありません。また、初潮年齢は15~16歳でした。
現代の女性は、初潮の平均年齢が約12歳です。出産年齢は30歳近くが一番多く、出産数も減少傾向です。また、人工乳を選択するケースも増えています。授乳しなければ生理の再開は早まります。現代女性の生理回数が多いのは、以上のような理由が考えられます。
生理の回数が多くなると、卵巣や子宮の病気になる可能性が高くなると言われています。

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