親知らずのメカニズム
最後に生える永久歯
ここからは、親知らずのメカニズムについてお伝えします。親知らずは先にお伝えしているとおり、歯の一番奥にある第三大臼歯と呼ばれる歯です。小学生時代に親知らずが生える方は少なく、中学生から高校生時代に生えることが多いです。その理由は、第三大臼歯は最後に生える永久歯なので、高い年齢になって生えることとなるからです。人によっては、20代前半で生えてくることも珍しくありません。そのため、親に知られることなく生えてくるので「親知らず」と呼ばれるようになったといわれています。親知らずは生えない方もいますが、基本的には上下に各2本、合計4本生えてきます。
大昔は必要だったが、現代では不要
元々昔の人間にとって第三大臼歯は必要な歯で、正常に生えてきていたのです。昔といっても大昔のことになりますが、当時の食材は木の実や動物の生肉、穀物など硬い食材ばかりです。そのため、あごの骨も発達しており親知らずが生えるスペースがしっかり確保されていました。ところが、現代では大昔ほどの硬い食材を食べることがなくなったので、それに合わせてあごの骨が未発達となり親知らずが正常に生えるスペースがなくなってしまったのです。このように、大昔では必要とされていた親知らずですが、現代では抜いた方がよい歯と変ってきています。
この記事を監修してくれたお医者さん
日本歯科医師協会認定医
越智英行
略 歴
昭和大学 歯学部 卒業/昭和大学大学院 歯学研究科 臨床系歯科麻酔科学 修了/昭和大学 歯学部 全身管理歯科学歯科麻酔科 助教/医療法人社団コンパス 常務理事
保有資格
歯科医師/歯学博士/日本口腔外科学会 認定医/日本外傷歯学学会 認定医
配信: 医科歯科健診コラム
関連記事: