卒婚とは?離婚との違いやメリット、注意点を弁護士がわかりやすく解説

卒婚とは?離婚との違いやメリット、注意点を弁護士がわかりやすく解説

卒婚の手順

実際に卒婚を進めたいときには、以下の手順で進めましょう。

1.卒婚の条件を話し合う

まずは相手との間で、卒婚の条件を話し合い、以下のような事項を取り決めましょう。

・別居するか同居を継続するか
・生活費の分担方法
・同居の場合、共有部の掃除などの家事分担
・他の異性との交際を認めるか
・病気になったり介護が必要になったりしたときの対処方法
・親戚との関わり方

2.家族の同意を得る

子どものいる方は、子どもに事情を伝えて卒婚に理解を得ておくとトラブルが生じにくくなります。

3.遺言書を作成する

卒婚しても相手に相続権が認められます。
遺産を渡したくない場合には、遺言書を作成しておきましょう。
ただし相手の遺留分を侵害すると、遺留分侵害額請求をされる可能性があるので、遺留分については最低限、相手に遺す内容にしておくと無難です。

4.書面化する

相手との間で卒婚の条件についてまとまったら、内容を書面化するようおすすめします。
後に、夫婦間のトラブルを防ぐことができますし、万が一、不貞などの問題が現実化したとき、書面があると解決方針を立てやすくなるからです。
なお書面を作成したからといって、法的に配偶者としての義務が免除されるわけではありません。
心配な方は、弁護士へ相談するとよいでしょう。

5.計画を実行する

卒婚の準備ができたら、計画を実行しましょう。
たとえば別居するなら引っ越しをしなければなりません。
同居のままなら、お互いに干渉しない生活を開始します。
大きな変化が起こらない限り、当面は卒婚状態で生活を継続していくことになります。

将来生活に変化が起こったとき

将来的に介護が必要になったときなど、生活に変化が起こったら、基本的に卒婚条件として取り決めたとおりに対応しましょう。
ただし取り決めた事項のみによって対応できない場合には、そのときの状況に応じた判断が必要となります。
迷ったときには弁護士へ相談してみましょう。

まとめ

卒婚にはメリットだけではなくリスクもあります。
離婚か卒婚か、どちらを選択すべきかについては、ご夫婦の状況や親族関係によっても変わってきます。
また卒婚をする際には、将来トラブルにならないよう、夫婦間で卒婚の条件について、十分な話し合いをすべきです。

夫婦関係を見直したくて卒婚を検討しているなら、まずは弁護士へ相談してみましょう。
将来の法的なリスクを抑えるためのアドバイスを受けられて、ベストな選択が可能となります。

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