離婚調停が不成立になったら、離婚裁判を提起できます。
裁判で法定離婚事由を立証できれば相手が合意しなくても判決で離婚が認められ、財産分与や慰謝料、親権などの離婚条件も裁判所が判断してくれます。
離婚裁判の審理期間は平均して14か月程度です。
有利に進めるため、弁護士へ依頼しましょう。
離婚裁判までの流れ
「離婚したい」と思っても、いきなり離婚裁判を起こすわけではありません。
法律上、裁判は最終手段として位置づけられているからです。
まずは一般的な離婚裁判に至るまでの流れを理解しましょう。
STEP1 当事者同士で話し合う
離婚する場合、まずは夫婦が当事者同士で話し合って協議離婚を目指すのが一般的です。
ただしDV事案などで話し合いができない場合、協議のステップを飛ばしてすぐに離婚調停を申し立てるケースもあります。
STEP2 離婚調停を申し立てる
協議が決裂した場合や話し合っても合意できない場合、家庭裁判所で離婚調停を申し立てます。
調停では調停委員を介して相手と話し合います。
STEP3 離婚調停が不成立になる
調停で話し合ってもお互いが合意できなければ、離婚調停は終了します。
離婚裁判を起こすには調停を「不成立」で終了させるのがよいでしょう。
調停を取り下げると調停がなかったことになってしまい、離婚裁判を起こせないことがあるので注意しましょう。
STEP4 離婚裁判を提起する
調停を経た後、離婚裁判(離婚訴訟)を提起できます。
ただし相手が長期間生死不明であるなど、調停をしても明らかに合意成立の見込みがない場合、例外的に調停をせずに訴訟提起することが認められることもあります。
離婚裁判で判断される内容、離婚が認められる条件
離婚裁判では、以下のような事項について判断してもらえます。
・離婚すること
・財産分与の方法
・年金分割
・慰謝料の支払い義務や金額
・親権者
・養育費
相手が離婚に応じなくても「法律上の離婚原因(法定離婚事由)」を証明すれば判決で離婚が認められます。
また、双方が離婚自体には合意していても、親権者や財産分与などの離婚条件について自分たちで決められないとき、離婚訴訟を提起すれば裁判所に条件を定めてもらえます。
裁判で離婚できる条件
相手が拒否する場合に裁判で離婚を認めてもらうには以下の5つの「法律上の離婚原因」のいずれか1つ以上を証明しなければなりません。
不貞
相手が他の異性と肉体関係をもった場合、法律上の離婚原因となります。
悪意の遺棄
悪意の遺棄とは相手が「夫婦関係が破綻してもかまわない」と考えて生活費を払わなかったり家出したりした場合です。
3年以上の生死不明
相手が生死不明となって3年以上経過すると、裁判で離婚が認められます。
回復しがたい精神病
相手が重度の統合失調症や双極性障害などの精神病にかかり、これまで献身的に看護してきた事情などがあれば裁判で離婚できる可能性があります。
その他婚姻関係を継続し難い重大な事由
相手から暴力やモラハラ被害を受けている場合、長期間別居状態が継続している場合などには「婚姻関係を継続し難い重大な事由がある」として離婚が認められる可能性があります。