離婚協議書の書き方や作成の流れ、公正証書にする方法を解説

離婚協議書の書き方や作成の流れ、公正証書にする方法を解説

離婚協議書作成の注意点

離婚協議書を作成するときには、以下の4点にご注意ください。

内容面

内容については、必要な離婚条件をもれなく取り決めて記載する必要があります。
文章表現にも注意が必要です。
自分たちでは意味があると思っても、法的な意味をなさない場合もあります。
不安があれば、弁護士へ文面のチェックや作成を依頼しましょう。

作成時期について

離婚協議書は、基本的に離婚前に作成するよう推奨します。
離婚後に相手に離婚協議書の作成を打診しても協力してもらえない可能性があるためです。

どうしても離婚前に作成できなかった場合には、相手と話し合って離婚後に作成しましょう

やり直しについて

いったん離婚協議書を作成してしまったら、基本的に話し合いのやり直しは難しくなります。
強迫、詐欺などの特殊事情がない限り、一方的な取り消しはできません。
相手がやり直しに合意しないと覆せませんし、話し合いをやり直すとしてもトラブルの蒸し返しになってしまいます。

離婚協議書に署名押印する前に「本当にこの内容で妥当なのか、納得できるのか」しっかり確認しましょう。
自分では合意してよいかどうか判断しにくい場合、弁護士へ相談してみてください。

年金分割との関係

年金分割の中でも「合意分割」を適用する場合には、必ず離婚協議書に「合意分割すること」と「分割割合」を記載しましょう。
被分割者が年金分割に合意したことを示す書面がないと、合意分割ができないからです。
協議離婚書に合意内容を書かない場合には、別途「年金分割に関する合意書」を作成する必要があります。

離婚協議書に年金分割の合意内容を記載したら、離婚後に元夫婦が2人で年金事務所へ行って年金分割の手続きを行いましょう。
事前に公証役場で合意書について認証を受けることで、単独で年金事務所での手続きを行うことも可能です。

離婚公正証書にするメリットと作成方法

離婚協議書を作成したら、「公正証書(離婚公正証書)」にするようお勧めします。
公正証書とは、公証人が公文書として作成する書面で、当事者が作成する離婚協議書よりも強い法的効果が認められるものです。

公正証書を作成するメリット

公正証書に「強制執行認諾条項」をつけておくと強制執行を行うことが可能になります。
養育費や財産分与、慰謝料などの金銭支払いをしてもらえないとき、公正証書があれば調停や訴訟をしなくてもすぐに差し押さえができるメリットがあります。

養育費は数年や10年以上にわたって支払いを受けるケースも多いですし、慰謝料や財産分与を分割払いにするケースもあるでしょう。
そういった場合、相手が途中で支払わなくなる可能性が高いので、予防策として公正証書化しておくのが有効です。

紛失しても再発行できる

当事者同士で作成した離婚協議書を紛失してしまっても再発行は受けられません。
公正証書であれば原本が公証役場で保管されるので、紛失しても謄本を発行してもらえるメリットがあります。

年金分割の手続きを1人でできる

年金分割を公正証書で定めておくと、離婚後に元夫婦2人が年金事務所へ行く必要がありません。
請求者が1人で年金事務所へ行って手続きができるので、離婚後は相手と関わりたくない方にとってもメリットがあります。

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