「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

口腔がんとは、口腔内粘膜や舌、歯茎などに生じるがんの総称です。初期段階では、口内炎や歯周病によく似た症状がみられます。

口腔粘膜のただれや変色をきたすため、セルフチェックによる早期発見が可能ですが、日本人の罹患率・死亡率はともに高くなっています。

この記事では口腔がんの初期症状や末期症状、治療法などを詳しく解説しています。ご自身に当てはまる症状がないか、セルフチェックの際の参考にしてください。

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監修歯科医師:
熊谷 靖司(歯科医師)

熊谷歯科医院 院長

口腔がんとは

口腔がんとは、口腔内に発生するがんの総称です。発症部位によって病気の呼び方が異なります。

舌がん

歯肉がん(歯茎にできるがん)

頬粘膜がん(頬の内側にできるがん)

口蓋がん(上顎にできるがん)

口腔底がん(舌と歯の間にできるがん)

唇や唾液腺に発生するがんも、口腔がんの一種です。なかでも日本人の罹患率が高いのは舌がんで、口腔がんの半数以上を占めています。

口腔がんの末期症状

口腔がんは罹患率・死亡率ともに増加傾向にあります。生存率を上げるためには病気の早期発見・早期治療が重要ですが、気付かないうちに進行してしまった場合どのような症状がみられるのでしょうか。
ここでは、口腔がんの末期に起こりうる症状を3つご紹介します。

体重減少

口腔がんに限らず、がんと診断された患者さんの多くに体重減少がみられます。主な原因は、食事摂取量の低下とがんそのものによる影響の2つです。
まず、食事摂取量の低下を引き起こす原因には以下のようなものがあります。

口腔内の痛みや粘膜のただれによって食事が摂りにくい

がんの告知による精神的ショック

化学療法や放射線療法による副作用

次に、がんの合併症の一つにがん悪液質(あくえきしつ)があります。主な症状は食欲不振と体重減少です。
がん細胞から分泌されるサイトカインが代謝異常を引き起こし、全身の脂肪や筋肉が減少します。

全身の痛み

口腔がんの初期には痛みを感じない場合もありますが、がんが進行して他臓器や骨に転移すると全身の痛みを引き起こします。なかでも、神経への浸潤によって痛みを生じるのが神経障害性疼痛です。
強い痛みや痺れなどの症状を引き起こし日常生活に支障が出るケースもあるため、できるだけ早期に治療を開始する必要があります。

構音障害

口腔がんが進行すると舌や唇、口腔内の粘膜が腫れることで舌の動きが悪くなり、構音障害を引き起こします。
構音障害とは、さまざまな原因によって正しく発音できない状態です。不明瞭な発音によって相手にうまく伝わらず、コミュニケーションに支障をきたすためQOL(生活の質)低下を招くおそれがあります。

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