「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

「口腔がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状も解説!医師が監修!

口腔がんの初期症状

口腔がんは口の中や唇に症状があらわれるため、セルフチェックによって早期発見が可能な病気です。以下のような症状に気付いたら、できるだけ早く受診しましょう。

口の中の異物感

舌や口腔内粘膜にがんが発生すると粘膜のただれや腫れを生じるため、口の中の異物感を自覚する場合があります。進行すると発音や嚥下機能(食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能)にも影響を与え、QOLの低下を招くおそれがあります。
気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。

しこりができる

口腔がんが発生すると口腔内の粘膜や歯茎にしこりができ、部位によっては入れ歯が合わないと感じることもあります。
また、首や顎の下にしこりを見つけた場合は特に注意が必要です。リンパ節転移を起こしている可能性があるため、早めに病院で検査を受けましょう。
全身転移を予防するため、早急に治療を開始する必要があります。

なかなか治らない口内炎ができる

口腔がんによって生じる粘膜のただれやしこりは口内炎の症状とよく似ており、口内炎との違いをご自身で見分けることは困難です。すぐに治るだろうと放置してしまうと、気付かないうちにがんは進行してしまいます。
口内炎がなかなか治らない場合は、かかりつけの歯科医院で一度診てもらうとよいでしょう。

出血する

口腔内に痛みや出血などの症状がみられる場合、がんはすでに進行している可能性があるため要注意です。
しかし、歯茎に発生する歯肉がんでは歯周病との区別が困難な場合もあります。口腔がんを早期発見するためには症状が軽いうちに病院を受診し、定期的に診察を受けることが大切です。

口腔がん末期の治療

口腔がんの治療には手術や放射線療法、化学療法などがあります。治療法の選択は予後やQOLに大きな影響を及ぼすため、がんの進行度や患者さんの体力、本人・家族の希望などを考慮し慎重に行われます。

手術

口腔がんに対する標準治療は手術療法です。
治療後は構音障害や嚥下機能障害によって日常生活に支障をきたす場合があります。機能回復に向け、積極的にリハビリテーションに取り組みましょう。
また、口腔内の細菌が感染症を引き起こす可能性があるため、口腔内を清潔に保つ必要があります。定期的に歯科検診を受け、むし歯が発生した場合はできるだけ早く治療を受けましょう。

放射線療法

放射線を照射し、がん細胞のDNAを傷つけることでがんを消滅させる方法です。化学療法と併せて行うこともあり、これを化学放射線療法と呼びます。
体力低下などによって手術を受けられない患者さんや、手術後の再発リスクが高い場合などに適応されます。起こりうる副作用は、口腔粘膜炎や吐き気・嘔吐、味覚障害、唾液分泌障害などです。

化学療法

がんの浸潤が広範囲におよび手術が困難と判断された場合や、手術後の再発予防を目的として化学療法が行われます。
使用される抗がん剤には分子標的薬や細胞障害性抗がん薬・免疫チェックポイント阻害薬などの種類があり、がんの進行度や患者さんの全身状態に合わせて選択します。
副作用は薬剤の種類によって異なりますが、主な症状は吐き気や下痢、脱毛などです。

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