「外傷性くも膜下出血」の症状・原因・後遺症はご存知ですか?医師が徹底解説!

「外傷性くも膜下出血」の症状・原因・後遺症はご存知ですか?医師が徹底解説!

外傷性くも膜下出血とは?Medical DOC監修医が外傷性くも膜下出血の症状・原因・後遺症・入院期間・寿命・生存率・治療法・リハビリ法なども解説します。

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監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)

医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「外傷性くも膜下出血」とは?

くも膜下出血というと、一般的には脳の血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破裂することで生じる疾患を指します。しかし、この外傷性くも膜下出血とは、転落や転倒、交通事故などの外的な影響で頭部へ強い衝撃が加わったことで、脳を守る3層の膜のうちの「くも膜」という箇所に出血を生じる病気です。

外傷性くも膜下出血の代表的な症状

頭痛

外傷性くも膜下出血は、頭部への強い衝撃、特に回旋するような衝撃が加わることで生じます。そして出血で脳の圧力が高まり、頭痛や吐き気などの症状がみられます。さらに稀ですが、出血量が多いと脳血管攣縮という血管が収縮する状態になって詰まり、脳梗塞を生じる可能性もあります。しかし、一般的には脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血とは異なり、出血量は軽微です。従って、外傷性くも膜下出血のみでは、無症状から軽い頭痛ですむ場合が多いです。ただし直後は症状が軽くても、2-3日後に遅れて出血が拡大したり、他の脳内出血が出現したりする場合もあるので、緊急性は高い状態といえます。

合併症に伴う多彩な症状

外傷性くも膜下出血のみではなく、「軸索損傷」という細かな神経細胞の破壊が生じていたり、「硬膜下血腫」や「脳挫傷」といった局所性脳損傷と呼ばれる外傷が合併していたりする場合はさらに問題です。意識障害や手足の麻痺、痙攣、高次脳機能障害といった多彩な症状が出現します。従って、頭を強く打った後にぐったりしていたり、記憶が飛んでいたりする場合はより緊急性が高く、すぐに医療機関を受診しましょう。

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