作家であり料理家でもある、樋口直哉さん。2021年8月25日放送、Eテレの情報番組『趣味どきっ!』に出演した際、「とうもろこしのムース」を作る様子が放送されました。すると多くの視聴者から、樋口さんのYouTubeチャンネル『樋口直哉の料理論[Cooking theory]』にレシピ公開のリクエストが届いたのだとか。ゼラチンの使い方の解説込みで「とうもろこしのムース」を紹介していましたよ。簡単に作れるようなのでさっそく挑戦します!
【すさまじい甘さに驚愕】これが一番ウマい!「とうもろこしの茹で方」試してみた♪え、皮つきで茹でるの⁉
市販されているゼラチンは2タイプ!”板”か”粉”かで戻し方が異なる
樋口直哉さんのYouTubeチャンネル『樋口直哉の料理論[Cooking theory]』には、調理科学をベースに、”おいしい”を最大限に引き出すレシピがズラリ。詳しい解説とともに、レシピを紹介しています。
今回作る「とうもろこしのムース」はゼラチンを使うので、ゼラチンの使い方について、詳しい解説がありました。
ゼラチンは、牛や豚の骨や皮から抽出されるコラーゲンを主体とした、たんぱく質。60℃で溶け始めて80℃で完全に溶け、10~15℃で固まるという性質があります。
ゼラチンには板ゼラチンと粉ゼラチンがありますが、家庭では手軽に使える粉ゼラチンが人気。一方、料理人は計量しやすい点から、板ゼラチンを使う方が多いそうです。
筆者はいつも、ふやかし不要の粉ゼラチンを使ってお菓子作りをしています。
上の画像にある粉ゼラチンは、80℃以上の熱いものに加える場合は、直接振り入れてOK。冷たいものに加える場合は、約80℃、50mlの液体に溶かし、それを加えるようにします。ゼラチンを戻す必要がないので、手軽に使えてとても便利です。
ちなみに、こちらの粉ゼラチンは1袋5g入り。微量を使う場合は計量しにくいのですが、そこは目分量で使っています。板ゼラチンは使ったことがないかな…。
板ゼラチンでレコード作れないのかな。そしたら、それに握手券つけて100枚くらい買った人も最終的にはゼリー食える。 pic.twitter.com/mXzVoOl9Fo
— せせらぎ (@sheepstilts) March 18, 2019
X(旧Twitter)で、板ゼラチンの画像をポストされている方がいました。ゼラチンが透明の薄い板状になっていますよ。画像の板ゼラチンはマルハニチロの「ゼラチンリーフ」のようなので、調べてみると、1枚が1.5gで作られているそう。
1、板ゼラチンを水に浸してふやかしておく。 pic.twitter.com/8BawNcojo0
— Fayi@CookingLove&Music (@Fayi11) June 10, 2017
こちらの方は、板ゼラチンの使い方をX(旧Twitter)にポストしていました。板ゼラチンは料理やお菓子に使う場合、事前に冷水に浸けて戻しておく必要があります。
樋口さんによると、夏場は水道水の温度が高くなるので、氷水に1~2分浸けて戻すのがおすすめとのこと。戻したゼラチンは、しっかりと水気を切ってから、温かい液体に加えて溶かして使います。
ゼラチンは、板でも粉でも使いやすいものを選ぶとよさそう。ちなみに、どちらを使ってもレシピの記載量をご用意くださいね。
コーン缶でお手軽に♪「とうもろこしのムース」を作ってみた!
樋口さんは板ゼラチンを使っていましたが、今回は粉ゼラチンで作ってみます。さらに仕上げ用の塩として、フランス産の天然塩「フルール・ド・セル」を使っていましたが、今回は入手出来なかったため、普段使っている塩を振って仕上げることに。
【材料】(2人分)
コーン缶(固形量)…150g
生クリーム(乳脂肪分35%)…100ml
牛乳…75ml
塩…小さじ1/8 ※コーン缶に食塩が使われている場合は不要
ゼラチン…2.5g
(トッピング)
とうもろこし…1/2本
オリーブオイル…小さじ1
しょうゆ…小さじ1/4
塩(フルール・ド・セル)…適量 ※今回は普通の塩で代用
1. 鍋に水気を切ったコーン、牛乳、塩を入れて中火にかけ、ふつふつとしたら火を止めます。
点火してから2分くらい経つと、ふつふつとしてきました。今回使ったコーン缶は食塩入りだったため、塩は加えません。
2. ゼラチンを加え、よく混ぜて溶かします。さらに生クリームも加え、混ぜます。
今回は粉ゼラチンを使ったので、火を消した後で、鍋にそのまま振り入れました。板ゼラチンを使う場合は、冷水に1~2分浸けて戻し、水気をしっかりと切ってから加えてくださいね。
ゼラチンを溶かしたら、生クリームを加えて混ぜます。
3. 2をミキサーで攪拌し、なめらかにします。
ムースは、泡立てた生クリームを加えて作るのが一般的。けれど樋口さんの「とうもろこしのムース」は、ミキサーで攪拌するので泡立てる手間が省けますよ。このプロセスで2分以上攪拌し、生クリームに空気を含ませるのがポイントです。
4. 保存容器に3のムース液を入れます。氷水を張ったバットに容器を浸け、冷蔵庫で4~5時間冷やします。
保存容器にムース液を移したら、軽く台に打ち付けて空気を抜いておきました。
氷水を張った容器に浸けて、冷蔵庫で冷やします。ゼラチンは時間を掛けて固める方がより硬く、安定した仕上がりになるそうですよ。仕込みは10分もかからずに完了!あとは固まるのを待つだけです。
4時間半経って様子を見てみると、傾けても動かないくらいにしっかりと固まりました。ムースが固まったので、トッピングを作ります。
5. とうもろこしを芯から外します。フライパンにオリーブオイルを引いて中火で熱し、焦げ目が付く程度に炒めたらしょうゆを加え、火を止めます。
中火で3分ほど炒めると、とうもろこしの甘い香りが広がり、表面に焼き色が付きました。しょうゆを少し加えて香ばしい風味を付けたら、トッピングの完成!
冷やし固めたムースをスプーンですくってお皿に盛り、とうもろこしのソテーを上からかけましょう。最後に、塩を少し振って仕上げます。
ちなみにムースを盛り付ける時には、都度、スプーンを50℃くらいのお湯に浸けると、ムースをきれいに取り分けられますよ。
ムースはコーンの味わいがほんのり♪トッピングは甘さが弾ける〜!
料理家・樋口直哉さんのとっておきレシピで作った「とうもろこしのムース」が、こちらです。画像ではムースがアイスクリームのように見えますが、スプーンですくった時には、ふわっとしたムース特有の手応えがありましたよ。
とうもろこしのソテーは所々に焼き色が付いていて、香ばしそう!
食べてみると、ムース自体は生クリームの味わいの方がやや強く、ほんのりとコーンの甘みを感じます。砂糖は入っていないので、甘さはかなり控えめ。でも、ノンシュガーのスイーツと言っても通用するような味わいです。
トッピングのとうもろこしのソテーは、粒がプチッと弾けて甘さが口に広がります♪トッピングがあることで、旬のとうもろこしの甘さと瑞々しさが一気に加わり、とうもろこし料理らしい甘さを感じられました。
ゼラチン入りムース液をミキサーで攪拌するから作るのが簡単♪
料理家・樋口直哉さん直伝の「とうもろこしのムース」は、ゼラチンと生クリームを加えたムース液をミキサーで攪拌するのがポイントでした。
樋口さんは板ゼラチンを使って「とうもろこしのムース」を作っていましたが、粉ゼラチンで作ってもふんわりと固まり、ムースらしい、なめらかな舌触りに仕上がりました。
ゼラチンを多く使うと早く固まりますが、冷やし時間が長くなると、硬くなり過ぎる懸念があるそうです。ムースはふんわりとなめらかな舌触りが特徴。ゆっくり冷やし固めると、おいしく作れますよ。
樋口さんはコーン缶を使った方が、季節を問わずにおいしく作れると紹介していましたが、旬のとうもろこしでももちろんいいとのこと。茹で、蒸し、レンチンなどで加熱して粒を外したものをムース液に使えば、コーンの甘味がより強くなりそうですね!
ほんのり甘くて冷たい一品は、夏の食卓の前菜にぴったりなので、ぜひ♪ちなみに画像のデザート皿に盛り付けたところ、4人分くらいはありそうでした。
配信: あたらしい日日
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