アサガオには何色がある?
青、赤、ムラサキ、桃色、茶色、白などがあり、野生のアサガオ(原種)は、青い花を咲かせます。アサガオの色素は、ブルーベリーやナスなどと同じ赤や紫色のアントシアニンで、花びらの細胞の「液胞」という部分に含まれています。色の変化にはpH(水素イオン指数)が大きく関わっていて、pH が酸性なら赤色、アルカリ性なら青色、中性なら紫色の花が咲きます。水や土の性質が変わることで、花の色が変化するようです。
『あさかほ叢』(文化14年)(国立国会図書館デジタルコレクション)より転載
https://dl.ndl.go.jp/pid/2537280/1/31
ちなみにバラに青色がないように、アサガオには黄色がありません。アサガオの栽培が盛んだった江戸時代の図譜には、菜の花のように黄色いアサガオが記録されていますが、現在では失われてしまっているため、「幻のアサガオ」と呼ばれています。近年、遺伝子導入技術を使うことで「黄色いアサガオ」を咲かせることに成功したという、研究グループの発表があります。
基礎生物学研究所の星野敦助教らが、キンギョソウ由来の遺伝子をアサガオで機能させることにより、「黄色いアサガオ」を咲かせることに成功!
プレスリリース – 「幻のアサガオ」といわれる黄色いアサガオを再現
参考:
アサガオの色はどう決まる? もとは赤や紫の色素、アルカリ性で青に
知っているようであまり知らない!?~アサガオについて
変化朝顔とは?ハマると家計が傾く道楽「園芸」に江戸っ子が熱狂!【江戸時代】
自由研究にも◎ 子どもとアサガオの色水実験をしてみよう!
アサガオの花色はポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素が元になっています。その色素は、pHによって変化することは先ほど紹介しましたが、酸性とアルカリ性に反応して色が変わります。雨が降った後に、朝顔の花びらの色がぽつぽつと水玉模様のようになっているのを見たことがありませんか? あれは、酸性雨が当たったからなんですね。
【用意するもの】
アサガオの花(青やムラサキの花色がおすすめ)
お茶パック
水
透明なグラスなどの容器をいくつか
酸性の食材(レモン果汁やお酢など)
アルカリ性の食材(重曹や卵の白身など)
まずは色水作り
アサガオの花がらをお茶パックに詰めます。花をそのまま水につけても色水はできますが、花のカスが浮き出てしまうため、お茶パックを利用しました。
水を入れたコップの中で、アサガオの花がらを入れたお茶パックを揉んで色を出していきます。アントシアニンは水溶性のため、すぐにムラサキ色の色水ができあがりました。
実験①レモン汁、ベーキングパウダーを投入
酸性のレモン汁を数滴……
かき混ぜるとピンク色に!
もうひとつは、ベーキングパウダーを投入。アルカリ性の重曹がなかったため、原材料に炭酸水素ナトリウム(重曹)が入っているベーキングパウダーで代用しました。
ベーキングパウダーは少し青みがかかってる? 微妙ですが、レモン汁は鮮やかなピンクになりました。
実験②レモン汁と卵の白身を投入
まずはレモン汁を投入!
続いて、もうひとつのグラスに卵の白身をを投入!
アルカリ性の卵の白身はブルー、陽性のレモン汁はピンクと、色がはっきりと変化しました。
そのほか、酸性といわれる卵の黄身や、アルカリ性といわれる牛乳などで実験してみましたが、ミルキーになってしまい、色の違いはわかりにくかったです。
とはいえ、レモン汁と卵の白身を入れたときは、パッと手品のように色が変わったので、子たちのテンションは爆上がり。その後も「チーズはどうかな?」、「梅干しは?」など、目を輝かせて実験していました。
参考:
おうちでできる簡単な実験あそび! 朝顔の色水作りの楽しみかた【コソダテフルな毎日 第171話】
朝顔の色水遊び作り方!写真付きで解説。【自由研究】 – 元園芸業界人の【花】図鑑&あそび
朝顔の色水実験!アントシアニンにおけるpHの色の変化 – 元園芸業界人の【花】図鑑&あそび
まとめ
青いアサガオの花が風にそよぐ様子は、涼しげで夏の暑さを少し和らげてくれるように感じます。アサガオの花は育てやすく、つる性のため、日よけの緑のカーテンを作るのにも向いているのだとか。江戸っ子を気取って、いつかトライしてみたいです。
朝に咲いて、夕方はしぼんでしまうアサガオ。摘み取った花がらを使った色水遊びは、家にあるもので簡単に実験ができるのでおすすめ。思いの外、盛り上がりますよ。
文/Ai Kano
配信: ASOPPA!
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