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東日本大震災が起こるまで、私は使い勝手のよい収納ばかりを意識し、防災面はさほど考えていませんでした。そして3.11の日。揺れが収まってキッチンに行くと、食器棚の調味料やお酒の瓶が落ちて割れ、床は液体まみれに。コンロに置いていた鍋も落下し、持ち手が取れてしまいました。人や家に大きな被害はなかったものの、キッチンは大変な状況になりました。
その経験から、今のわが家は防災面も意識した収納にしています。この記事では、私が実践しているキッチンの防災対策を紹介します。
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「安全なキッチン防災対策」で意識すべきポイント3つ
キッチンの防災対策で意識するポイントは、次の3つです。
ケガから身を守る対策
キッチンには包丁など鋭利なものや、瓶・ガラス・陶器といった割れ物もあります。これらは地震の揺れで落ちるとケガにつながりとても危険なうえ、瓶などが割れてしまえば片付けにも時間がかかります。そのため、キッチン収納や食器棚の中にしまうのがベストです。
ガラス扉タイプの食器棚を使われている方は、扉に「ガラス飛散防止フィルム」を貼っておくとよいでしょう。ガラスが割れた際の破片の飛び散りを防ぐことができ、ケガから身を守ることができます。工事の必要がなく、ガラスに貼り付けるだけで設置できるので手軽に災害対策ができます。
また、モノを収納するときは、瓶、缶、ボトル類、ホットプレートなどの重いモノは頭上には置かずに「足元収納」と覚えておきましょう。さらに電子レンジなどの家電や食器棚なども耐震対策をしておきましょう。
食器を守る対策
食器は食器棚に入れておけば安心、というわけではありません。大きな揺れが起こると棚の中で食器が動き、倒れてしまうことも考えられます。耐震グッズや収納用品を使って、地震の揺れから食器を守る対策をしておくと安心です。
収納の際は、種類が違う食器を重ねるのは使いづらいだけでなく、不安定になるので避けましょう。また、食器は重ね過ぎると地震の揺れにより倒れてしまう可能性があります。棚板の高さを調整してみたり、コの字ラックを入れたりしながら、食器を重ね過ぎない仕組みを作ってみてください。
キャスターのついた食器棚を使っている場合は、地震の揺れで食器棚が移動して出入口付近を塞いでしまったり、ぶつかってケガをしたりする恐れがあります。移動時以外はロックをかけておくとよいでしょう。
防災面では「隠す収納」が安心
収納とは「モノを使いやすく取り出しやすい状態にすること」です。キッチンのオープン棚、コンロの周囲などにモノを置いておく収納は「見せる収納」、キッチン収納や食器棚などに入れることは「隠す収納」と呼びます。
見せる収納は、モノがサッと使えて便利な反面、防災面では不安な面もあります。表に出ていれば倒れたり床に落ちたりする可能性があり、原状復帰にも時間がかかります。特に包丁や瓶、ガラス、陶器など、落ちたら危険なモノは「隠す収納」を意識すると安心・安全です。
調味料などどうしてもキッチンの上に置きたいモノは、倒れても被害が少ない場所に置き、万が一落ちてしまってもケガをしない素材を選ぶとよいでしょう。
(画像:やかんは、揺れで動いても被害の少ない場所に置いています)
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私のキッチン防災対策&アイテムを大公開
ここからは、私が実際にしているキッチンの防災対策とそのグッズをご紹介します。
「耐震ラッチ」で棚の飛び出し防止
耐震ラッチは、地震の揺れを感知すると扉をロックしてくれて、中のモノが飛び出すのを防いでくれるアイテムです。耐震ラッチは後付けも可能です。今後リフォームの予定があるという方は、つり戸棚などは耐震ラッチ付きにするとよいでしょう。
地震後、扉を開ける際は、モノが落ちてこないようゆっくり慎重に開けるようにしましょう。
「つり戸棚ストッカー」で取り出しも楽に
前述のように、重いモノは足元収納するのが鉄則。頭上にあるつり戸棚には軽いモノを収納するのがよいでしょう。
つり戸棚は手を伸ばす高さです。ここに直接モノを入れると、扉を開ける際に物が落下する恐れがあります。持ち手がついたつり戸棚専用のストッカーを使うと落下の心配がありませんし、日常でも取り出しやすいです。
瓶や缶、ボトルなど重いものはケースに入れて「足元収納」にしています。
「すべり止めシート」で食器のすべりを防ぐ
広さに合わせて切って使える、すべり止めシートも便利です。シートが凸凹になっており、食器のすべり止めとして活用できます。
わが家では、棚板に敷いたり、
収納ケースの底に敷いたりして使っています。
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大きな皿は専用の「大皿立て」に
最近は食器棚ではなく、引き出しに食器を収納する方も増えてきています。引き出しなら、万が一地震で開いても食器が落ちてケガをすることがありません。
大皿は専用のお皿立てやファイルボックスに立てて収納すると、お皿同士がぶつかることもなく、また出し入れしやすい収納になります。
ジェルやポールなどの「耐震グッズ」を適材適所に
ホームセンターやネットショップでは、耐震ジェル、突っ張りタイプの耐震ポール、耐震ベルトなどさまざまな「耐震グッズ」が売られています。
わが家では耐震ジェルを何個かストック。食器棚のほか、電子レンジの足元にもつけて、耐震対策をしています。キッチンにいるときに地震が起きても身を守ることができますし、避難の動線も確保できます。
配信: 防災ニッポン