「AYA世代のがんの原因」はご存知ですか?がん患者への支援も解説!医師が監修!

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A世代に見られるがん:15~19歳頃

15〜19歳頃にみられるがんには、どのような種類があるのでしょうか?以下で紹介いたします。

白血病

白血病は血液のがんで、骨髄での血液細胞生成過程でがん化が起こります。急性白血病では、肺炎や敗血症などの感染症、貧血による息切れや動悸、頭痛、めまい、血小板減少によるさまざまな部位の出血が特徴です。
一方、慢性白血病は初期には無症状で進行しますが、症状が進むと急性白血病と同じような症状が現れるため、注意が必要です。

胚細胞腫瘍・性腺腫瘍

主な胚細胞腫瘍の種類とその症状は以下の通りです。

成熟奇形腫、未熟奇形腫

腹痛や腹部腫瘤を引き起こし、腫瘍がねじれ破裂すると、急性腹症を引き起こすこともあります。

卵黄嚢がん

幼児期に精巣に発生することが多く、ホルモンの影響で早発思春期などの症状が見られることがあります。

胎児性がん

このタイプの腫瘍はホルモンを産生し、男性化や女性化の徴候、早期思春期の症状を引き起こすことがあります。

絨毛上皮がん

精巣や卵巣に見られ、ホルモンの過剰分泌によってさまざまな症状が現れます。

これらの腫瘍はそれぞれ異なる症状を示し、専門的な治療が必要です。

リンパ腫

リンパ腫は、リンパ球という白血球の一種ががん化する血液がんで、リンパ腫の原因には遺伝子異常、免疫不全、ウイルス感染などが関与していると考えられています。
症状には、首、脇、鼠径部などのリンパ節の無痛性の腫れ、発熱、夜間の寝汗、体重減少、皮膚の発疹が含まれます。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋骨内に発生する腫瘍の総称で、脳の組織や膜、神経から生じます。主な原発性脳腫瘍は以下の通りです。

神経膠腫(グリオーマ)

神経膠細胞から発生し、星細胞腫や乏突起膠腫などに分類されます。

中枢神経系原発悪性リンパ腫

B細胞が原因で発生します。

髄膜腫

脳を包む膜から生じる腫瘍です。

下垂体腺腫

下垂体から発生し、ホルモンの過剰分泌や機能障害を引き起こすことがあります。

これらの腫瘍は発生原因や影響が異なるため、治療法は種類によって選択されます。

骨腫瘍

骨肉腫は骨に発生する悪性腫瘍で、特に10代の小児や思春期に多く見られますが、約30%は40歳以上で発症します。
初期症状には痛みや腫れがあり、進行すると骨が破壊され病的骨折が起こることもありますが、発見が遅れることがあるため、注意が必要です。

YA世代に見られるがん:20~29歳以降増加

20〜29歳以降に増加するがんについて以下で解説します。

甲状腺がん

甲状腺がんは甲状腺にできる悪性腫瘍で、主に以下の4つのタイプに分類されます。

乳頭がん

甲状腺がんの約90%を占め、リンパ行性転移があるものの進行はゆっくりです。

濾胞がん

リンパ節転移は少ないが、血流を通じて肺や骨に転移しやすいタイプです。

髄様がん

カルシトニンを分泌する細胞から発生し、悪性度が高く、肝臓や肺への転移が見られるとされています。

未分化がん

進行がとても速く、悪性度も高いとされています。

病状が進むと、のどの違和感、声のかすれ、痛み、飲み込みにくさ、血痰、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の下部である子宮頸部に発生するがんで、がん前状態のCIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)から進行することがあります。このがんは若い世代にも増えており、特に30代後半での発症の傾向にあります。

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