胸ポチの危機!
すると少し離れたところで飲んでいた、麻衣さんの先輩(33歳・女性)が酔っ払いながら近づいてきて「ちょっと姿勢が悪いよ!そんなんじゃスイカ割れないからね」と背後から麻衣さんの両腕を引っ張り、思いっきり胸を突き出すかたちで強制的に背筋を伸ばされてしまいました。
「周囲がどよめく中…私は目隠しされていて先輩の声しか聞こえない状態から、いきなり背後からはがい締めにされた感じで動けなくなり、パニックになりながらも『やめて!私のノーブラがバレる』と心の中で叫び…恥ずかしくて顔から火が出そうでしたね」
ですがその危機的状況を察知した亜希子さんが、サッと麻衣さんの前に立ち両手を広げて「何でもありませーん!では次の人どうぞ」と麻衣さんに酔って絡みつく先輩をはがし、手を引っ張ると物陰に連れて行ってくれたそう。
「私は目隠しをしていたのでいまいち状況を理解できていなかったので亜希子に『お願い、正直に教えて…、私どんな風に皆んなの目に映っていたの?』と聞いてみたんです」
すると亜希子さんは「正直、ある程度前の方にいた人には胸ポチしているのが分かってしまったかもしれない。でも大丈夫だよ!皆んな大人だし、すぐに忘れるって」と慰めてくれました。
「ですが私が醜態を晒してしまった事実は消えないので、激しく落ち込んで立ち直れなくなってしまい、結局皆んなに挨拶もしないまま帰ってしまったんですよね」
胸ポチを気にしていたけれど…
そして週明けに出社する時は本当に気が重かったそう。
「ですが、いざ出社してみると会う人皆んなに『酔っ払いに絡まれて大変だったね』や『大丈夫だった?すぐに助けに行けなくてごめん』などと心配してもらい、何だか恐縮してしまいましたね」
きっと中には麻衣さんの胸ポチを目撃した人もいたと思われますが、そんなことより酔っ払って目隠しされた状態の後輩にウザ絡みをした先輩の行動に批判が集まっていました。
「その先輩からも涙ながらの真剣な謝罪を受け、ちょっとした騒動になってしまいましたが…、いつの間にか私の胸ポチはなかったことのようになっていて正直ホッとしてしまいました」
「その後亜希子と『私達はノーブラを隠そうと必死になっていたのでこんなに意識してしまっていたけど、一瞬パッとあの光景を見たら酔った酷い先輩の方に目が行き、胸ポチにはさほど目がいかなかったのかもね』と話しました(笑)とにかく今後はどんなにあわてていてもブラを忘れないように気をつけます」と苦笑いする麻衣さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
配信: 女子SPA!
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