【婚活】お見合いで「相手の欠点」が気になる…“粗探し”ばかりしている人に足りない「視点」

相手の長所に目を向けることの重要性を分かっていても、婚活が進むにつれて“粗探し”をしてしまう……その理由はどこにあるのか、筆者が見た実例からひもときます。

婚活で気になるのは「相手の欠点」?

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 婚活をするにあたって大切なのは「相手の短所よりも長所を見ることだ」とは、よく言われています。婚活を始めた当初はそれを意識していたはずなのに、気が付いたらどうも相手の粗(あら)探しばかりをしていませんか? 婚活をすると、どうして相手の欠点ばかりが気になってしまうのか、結婚相談所を運営する仲人の筆者が解説します。

婚活で粗探ししてしまう理由

 実は、婚活は「相手の短所よりも長所を見る」ことがとてもしにくい男女の出会いだからなのです。

 自然に出会って恋愛をしていくときのことを考えてみてください。出会った当初、お相手の情報をほとんど知りませんよね。友達に紹介してもらった場合も、お相手の大まかなことは聞かされていたとしても、住んでいる場所、学歴、仕事内容、年収、身長・体重、家族構成、趣味などの詳細は知らないままに、ご本人にお会いするのではないでしょうか。

 ところが、婚活での出会いというのは、サイトにプロフィールが公開されていて、相手の経歴や条件が出ています。それを分かった上で、お見合いをします。つまり、婚活での出会いというのは、「このプロフィールの相手なら、結婚してもいいかもしれない」と条件に合格点を出した人に会いに行くことなのです。

 プロフィールを知っているからこそ、相手と対峙(たいじ)したときに、プロフィールに記されていた条件とリアルな本人に誤差がないかを、無意識のうちに照合してしまいます。例えば、年収が高いのに食事が割り勘だった場合、「お金を持っているくせに、本質はケチかもしれない」「プロフィール写真よりも太っている」「“明るい方”だと、相談室からのPRにはあったけど、笑顔も少ないし暗い人かも」などと、次々に欠点を探し出すのです。

 先日、さとこさん(40歳、仮名)は、よういちろうさん(42歳、同)とお見合いをしたのですが、終えてこんな感想を伝えてきました。

「プロフィールに“おおらかな人”と書いてありましたが、全く違うタイプでした」

 お見合い場所になっていたラウンジで、着席した2人はまず飲み物を注文しました。さとこさんはホットティー、よういちろうさんはアイスティーを頼んだのですが、2つともホットティーが運ばれてきました。

「そうしたら、『私が頼んだのはアイスティーですよ』と、ウエイターの方にムッとした口調で言ったんです」

 ウエイターは「申し訳ありません」と、すぐによういちろうさんのホットティーを下げ、持ち戻ったそうです。

「お店の人がいなくなった後に、批判的な口調で、『今日は暑いから冷たいものが飲みたかったのに。オーダーを間違えるって、プロとして失格ですよね』とおっしゃったんです。 『この人は、おおらかどころか小さなミスも許さない、人には厳しいタイプかも』と思ってしまいました」

“おおらか”という前情報があったからこそ、余計に彼の言葉が気になってしまったのかもしれませんね。

「好き」という魔法

 先日、入会面談に来たまさえさん(37歳、仮名)が言いました。

「1年ほどお付き合いしている人がいました」

 出会いは、仕事の取引先のひできさん(30歳、仮名)。

「ある日、仕事を終えた後に、食事に誘われたんです。お酒を飲みながらいろいろな話をしたのがすごく楽しくて。その日から、たまに食事をしたり、飲みに行ったりするようになりました」

 そこから男女の関係になるのも、時間はかかりませんでした。

 まさえさんは、どんどん彼にひかれていきました。そして「結婚できたらいいな」と思うようにもなりました。しかしながら、彼は7つ年下。“結婚”という言葉が出てこないままに、1年がたってしまいました。

「お付き合いをしていくうちに、それまで聞いていたこととは違う彼の経歴も分かりました。大卒だと言っていたのに、実は中退。仕事も、正社員ではなく契約社員だということが分かりました」

 しかし、彼のことを好きになっていたまさえさんには、そんなことはどうでもいいことに思えました。「私が勝手に大卒だと思っていただけ」「派遣でも、真面目に仕事をしている人ならいいじゃない」と。

 これがもしも婚活の出会いだったとしたら、知っていた情報と違うことが分かった時点で、気持ちはスーッと冷めていたかもしれません。

 ただ、1年がたっても、結婚の話が出てこない。1つ年をとって不安になったまさえさんは、あるとき、ひできさんに「結婚ってどう思う?」と水を向けてみました。すると、予想だにしない答えが、ひできさんから返ってきました。

「俺は今、契約社員だし、結婚して家庭を持つことは考えられないよ。運よく社員になれて、そのときに結婚したい相手がいたら、考えるかもしれないけれど。ま、今のところ結婚には興味ないかな」

“この恋愛の先に結婚がある”と浮かれていたのは、自分だけだった――。まさえさんは、冷や水を浴びせられる思いがしました。現実を知ったのです。

 こうして、まさえさんは、結婚相談所での婚活を決意しました。

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