「メラノーマの生存率」はどのくらい?検査・治療法も解説!【医師監修】

「メラノーマの生存率」はどのくらい?検査・治療法も解説!【医師監修】

メラノーマの検査方法は?

メラノーマの検査は以下のように段階的に進められます。

肉眼による視診

ダーモスコピー検査

生検

全身の画像診断

具体的にどのような検査になるのか以下で解説します。

肉眼による視診

メラノーマの肉眼による視察はABCDEルールに基づいて行われます。

Asymmetry(左右非対称である)

Border of irregularities(辺縁がギザギザしている)

Color variegation(色むらがある)

Diameter greater than 6mm(大きさが6ミリ以上ある)

Evolution(大きさ・色・形などに変化がある)

同じメラノーマでも見た目・症状などにより以下のように分類されます。

表在拡大型

末端黒子型

悪性黒子型

結節型

粘膜型(眼球結膜)

粘膜型(口腔粘膜)

粘膜型

自己判断で通常のほくろとメラノーマの区別はできません。違和感を覚えたら早めに皮膚科専門の医師に相談しましょう。

ダーモスコピー検査

ダーモスコピーとは皮膚病変の表面を拡大して詳しく観察できる特殊な拡大鏡です。皮膚表面の色素を詳細に観察し、ほくろかメラノーマか簡易的に判断します。観察するのは以下のようなポイントです。

色調

色素のパターン

色素の分布

ダーモスコピー検査のみでメラノーマの診断を確定することはありません。ダーモスコピーでの検査はあくまで臨床診断を補助するものと理解しておきましょう。

生検

メラノーマの診断確定のために、疑いのある組織を顕微鏡で観察する皮膚生検を行います。生検用の組織を採取する際は、病気か判断しやすくするため可能であれば疑いのある部分を全切除します。
部分の場所や大きさ・合併症などの事情があれば、一部の組織のみ採取して生検に使うことも可能です。しかし、判断の精度が劣ることを理解しておきましょう。

全身の画像診断

メラノーマの診断が確定すると、次は病気がどの程度進行しているか、つまり病期(ステージ)を確認しなければなりません。その時に必要になるのが以下のような全身の画像検査です。

レントゲン

CT

MRI

超音波検査

PET検査など

リンパ節・内臓に転移がないか確認し、治療方法を確定するための判断材料とします。

メラノーマの治療方法について

メラノーマの治療方法は以下の3つから選択されます。

手術

放射線療法

薬物療法

医師は検査で得た「がんが身体のどこまで広がっているか」の情報をもとに、適切な治療方法を選択します。以下ではその治療方法を詳しく解説します。

手術

ほかの臓器に転移が認められない場合は、手術で患部を切除します。手術にもいくつか選択肢があり、病変が皮膚表面に限られる場合は、患部周辺を少し大きめに切除する拡大切除を選ぶのが一般的です。
対してリンパ節まで病変が広がっていた場合は領域リンパ節をまとめて切除するリンパ節郭清術が選ばれます。

放射線療法

放射線療法の目的は症状緩和と術後補助療法です。メラノーマが脳・骨に転移した場合は、手術・薬剤での治療が難しいため、症状緩和を目的とした放射線治療をします。
また術後にメラノーマの再発・転移が心配される場合は、術後補助療法として放射線療法が行われることもあります。

薬物療法

薬物療法は放射線療法と同様に、手術が難しい症例での症状緩和・術後の再発と転移防止のために選択されます。薬物療法は目覚ましい進化を遂げており、従来使われていたダカルバジンに加え、ニボルマブ・ペムブロリズマブ・イピリムマブなど選択肢が広がっています。

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