「鉄分を摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

「鉄分を摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

鉄分を摂りすぎる原因

一般的な食事であれば、鉄分の過剰摂取には至らないでしょう。しかし、以下のような場合では鉄分を摂りすぎてしまう可能性があるため、注意が必要です。

鉄剤の内服

鉄剤は、鉄欠乏性貧血の治療に用いられる薬剤の一種です。鉄分が豊富に含まれているため、鉄分が多く含まれている食品やサプリメントとの併用で鉄分を過剰に摂取してしまう可能性があります。食事療法や内服治療は医師の指示のもと、正しく行いましょう。

サプリメントの服用

一般的に、サプリメントはご自身で選んで購入します。病院で処方される薬剤とは異なり、1日の摂取目安量の記載はありますが、一人ひとりに合わせた用法・用量の記載はありません。そのため、知らず知らずのうちに鉄過剰症になっている可能性があります。体調面に不安があってサプリメントを服用している場合には、定期的に病院で検査を受けるとよいでしょう。

血液の病気

骨髄異形成症候群や再生不良性貧血では貧血の症状が現れますが、原因は鉄分の不足ではありません。そのため、原因が不明のまま鉄剤や鉄分サプリメントの服用を続けると、余分な鉄分が体内に蓄積し、鉄過剰症を引き起こします。病気の早期発見や早期治療のため、貧血の症状を自覚したら早めに病院で検査を受けましょう。

輸血の合併症

貧血治療として赤血球輸血を繰り返すなかで、過剰な鉄分が体内に蓄積しさまざまな症状を引き起こすことがあります。鉄過剰症は肝臓や心臓の病気、糖尿病などを引き起こすと考えられているため、注意が必要です。輸血による治療を受けている方は、医師の指示に従い定期的に検査を受けましょう。

鉄分を効率よく摂取する方法

鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血を発症し、動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れます。食事の内容や内服のタイミングに留意し、貧血予防に努めましょう。

鉄分を多く含む食品の摂取

鉄分を多く含む食品には、以下のようなものがあります。

レバー

牛肉(赤身の部分)

かつお

がんもどき

納豆

小松菜

ほうれん草

これらの食品を普段の食事に取り入れることで、貧血の予防や症状軽減などの効果が期待できます。調理が困難な場合は、レトルト食品や惣菜をうまく活用してみましょう。

鉄分と一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

ビタミンCは、鉄分と一緒に摂取することで鉄の吸収率を高めてくれます。以下のような食品を食事に取り入れ、効率的に鉄分を摂取しましょう。

● ブロッコリー
● アセロラジュース
● 赤・黄パプリカ
● レモン(柑橘系の果物)
● じゃがいも・さつまいも

水溶性ビタミンであるビタミンCは水に溶けやすく、また、加熱に弱いのが特徴です。じゃがいもやさつまいものビタミンCは、でんぷんによって守られているため、加熱による影響が少ないとされています。うまく食事に取り入れるといいです。

鉄分の効果を高める摂取タイミング

食事に含まれる成分が鉄分の吸収を阻害する恐れがあるため、以前は空腹時の摂取が推奨されていました。しかし、胃のむかつきや吐き気などの症状出現のリスクが高まるため、現在は空腹時を避けて食後(食事の後30分以内)に摂取するのが一般的です。病院で処方された鉄剤の場合は、医師からの指示のとおりに内服しましょう。

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