新潟の別荘しか手元に残らなかった設定はリアル
こうして見れば、財産税徴収はけっして特権階級だけを泣かせた話ではなかったといいつつも、資産家の皇族・華族にとっては災難中の災難といえる出来事だったと思われますね。
まぁ皇族はともかく、華族は全員が資産家であったとは限らず、学習院の学費にも事欠く公家華族などがいたのも事実ではあり、そういう家庭は財産税の対象ではなかった可能性もあるのですが……。
ドラマの中の桜川家の資産も、どの程度の規模だったかはわかりませんが、そのお屋敷として東京・北区の「旧古河庭園」の洋館がドラマには映っていました。あれだけで現在ならば何十億円以上の価値でしょうから、財産税の支払いは「500万円から1500万円(現在の20億円~60億円)」に課された税率で「85%」が没収されてしまったのではないかと考えられます。
それゆえ、ドラマでも描かれたように新潟の別荘しか手元に残らなかった涼子というのは、非常にリアルな設定だと感じましたし、それでも空襲で足腰が不自由になった「親友」玉のために、別荘を売り払い、カフェレストランを営める不動産を買いとったというのは相当な決断だったはずです。やはり本当のお嬢様は強いなぁと感じ入ってしまった筆者でした。
配信: サイゾーウーマン
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