なぜ、“平成コンテンツ”復刻アイテムがアラサー世代に刺さるのか
私たちが小学生のときに好きだったアイテムを自分で稼いだお金で再び手に取るのは青春の甘酸っぱさを思い出したいだけではなく、昨今のアパレルのトレンドや国内における活気のなさ、将来への不安なども関係していると思います。
子どもの頃はキュートで、ポップな洋服に憧れていたアラサー世代ですが、現在はこの世代を中心にくすみカラーやジェンダーレスなデザインの洋服が人気です。そもそも、近年においては昔のようにファッションジャンルは細分化されていないように思います。また、将来を見据えて、ファッションにお金をあまりかけない人も多いといわれています。
当時のガールズたちの間で人気を集めていたブランドが手掛ける洋服や雑貨はポップで、細部にまでこだわりつくしたデザインのものが多く、現代よりも活気があった時代を反映しています。また、バブルははじけていたものの「コスパ」という言葉はあまり使われておらず、多くのガールズたちが1万円前後のティーシャツを着ていたわけではないものの、高価な子ども用の洋服や雑貨が肯定的に受け入れられるだけのゆとりが国内にあったように思います。
2000年代初頭は大人たちもファッションを自由に謳歌しており、当時のアラサー世代には、女性ファッション誌「CanCam」(小学館)で人気となった蛯原友里さんの“めちゃモテファッション”に憧れて、装いをまねたり、俳優の深田恭子さんが主演した映画「下妻物語」の主人公・竜ヶ崎桃子のようにロリータファッションを楽しむ人、カジュアルな洋服を好む人などさまざまで、それらを受け入れる温厚さも経済的ゆとりもありました。
“平成ガールズ”が大人になって社会の厳しさを知った今、あの頃を思い出せる懐かしアイテムを手にとることで、夢や希望を抱き、純粋だった当時の自分の姿を無意識のうちに思い出している人もいるのではないでしょうか。
配信: オトナンサー
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