身体の温度を下げる
できるだけ室温が上がらないような対策ができたら、次は身体の温度を下げる工夫をします。
風通しの良い服装をする
締め付けのある服や厚手の服ではなく、ゆとりのある薄い生地の服を着ると熱がこもりません。吸湿性や速乾性に優れた生地の衣服も良いでしょう。袖や裾から風が入る服を着て、できるだけ快適に過ごしましょう。
冷却グッズを活用する
首や脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている部位に冷たい物をあてると、効果的に体を冷やせます。
停電直後であれば冷凍庫に置いてある保冷剤を体にあてるのも良いですが、停電の期間が長引くと、ずっとは使えません。
最近は、体を冷やす便利なグッズがたくさん売られていますね。暑い時季はそのようなアイテムを防災グッズとして準備するのがおすすめです。
冷却グッズを使ってみます
体を冷やすグッズをいくつか試して使ってみます。使い勝手やどのくらい体が冷やせるかもリポートします。
今回準備したのはこちらの4つのアイテムです。
・クールネックリング
・瞬間冷却パック(叩くタイプ)
・濡れタオル
・冷却ゲルシート
・クールネックリング
数年前からよく見かけるこちらのアイテム。今回はダイソーで550円で購入しました。28℃以下で再凍結する特殊素材が中に入っています。
凍結した状態で首に着けてみると、ひんやりして気持ち良いです。熱中症の予防にこれだけあればOK、と言えるほどの涼しさはありませんが、着けていないときと比べると快適さは確実にアップします。ちょうど太い血管が通っている首の付け根の両脇部分にしっかりフィットするのが良いですね。冷蔵庫で冷やし固めた状態から室温27℃くらいの室内で首に着けていると、2時間ほどで冷たさがなくなりました。
中に入っている素材が溶けてしまうと、28℃以下の環境に置いておかないと再凍結しません。説明書きには、冷蔵庫で20分、冷凍庫で5分、流水で15分以上冷やすと再凍結すると表記があります。室温27℃の部屋で常温の水につけておくと4時間ほどで再凍結しました。
真夏であれば、エアコンなしで室温が28℃以下になることは、住んでいる環境によっては難しそう。水が使えれば良いですが、溶けてしまった際にすぐに再凍結・再利用することは難しいかもしれません。
・瞬間冷却パック(叩くタイプ)
パックを叩いて中に入っている水袋を破ると、中の冷却材が水に溶けて冷たくなるもの。こちらはダイソーで1個入り110円で購入しました。1回使い切りです。
パックを叩くとすぐに冷たくなりはじめ、10℃ほどになりました。凍らせた保冷剤と同じくらい冷たく感じます。
室温27℃の室内でそのまま放置しておくと30分ほどで冷却パックの温度は20度まで上がりましたがまだまだひんやり感じます。45分程度でもまだ冷たさを感じられました。パッケージには冷たさの持続は15分程度と記載があります。
1つ110円で冷たさが続く時間があまり長くないのでコスパは良くないかもしれませんが、確実に冷やすことができるので緊急用として持っておくのは良いと思いました。
・濡れタオル
タオルを常温の水で濡らして絞り、首に巻いたり脇の下にはさんだりして使います。体に当てた状態でさらにうちわであおぐと涼しさがアップします。気化熱で身体が冷えるのでしっかり体温が下がるのを実感できました。
タオルが温まってしまったらタオルを振ったり、乾いてきたら再び水で濡らしたりすると冷たさが復活します。
少し衣服が濡れてしまいますが、水が使える環境であればかなり良い方法だと思います。
水で濡らして首に巻くスカーフのような商品もよく見かけます。布の大きさもちょうど良く、ほどけずに使えるのでこちらも便利でした。
・冷却ジェルシート
発熱の際などにおでこに貼る冷却ジェルシート。ドラッグストアで子ども用サイズ16枚入りを499円で購入しました。
実は写真の製品に限らず同様の製品については、「ひんやり感」は感じるものの、身体を冷やす作用は限定的です。パッケージによると、貼った部分の肌表面を2℃冷やす効果はあるそう。額に貼っても体全体を冷やす効果は期待できません。そのため、発熱時の解熱や熱中症の予防および応急処置には適していないといえるでしょう。
実際に貼ってみるとやはりスーッと気持ち良い感じはありますが、体が冷えたという実感はありませんでした。寝苦しい夜に使うのは良いかもしれません。これを貼ることで気持ち良く過ごせるなら貼るのは良いですが、熱中症予防対策をこれ一つで行うことは難しいので注意してください。
また、同様の製品を使用中に、乳児の鼻と口が塞がれて窒息してしまった事故も報告されています。小さい子どもや障害のある方など、自分で取り去るのが難しい人が使用する際は目を離さないでください。
配信: 防災ニッポン