「胃がんステージ4の余命」はご存知ですか?症状・治療法も解説!【医師監修】

「胃がんステージ4の余命」はご存知ですか?症状・治療法も解説!【医師監修】

ステージ4の胃がんでは、転移巣を取り切れないため根治を目指す手術は基本的にできません。その後は化学療法・放射線治療・緩和療法などの方法で治療します。

ステージ4は進行がんの最終段階ですが、治療法はまだ選択の余地があります。また、厳しい症状には緩和治療で軽減が可能です。

この記事では、ステージ4の胃がんの余命・治療方法・症状を解説していくので、参考にしてください。

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監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

胃がんとは

胃はみぞおちのあたりにある袋状の臓器です。胃壁は層状で、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜下層・漿膜の5層構造です。
胃がんは内側の粘膜上に発生し、粘膜下層から漿膜方向に進行します。漿膜の外に出ると、隣接する大腸・肝臓・膵臓・横隔膜などの臓器に浸みるように広がり、これを浸潤(しんじゅん)と呼びます。
また、漿膜に出たがん細胞がお腹の内面を覆う腹膜に散らばると、腹膜播種といわれるステージ4の状態です。リンパ液や血液に乗って離れた臓器にも移動して、そこで増殖する転移がおこってもステージ4になります。
胃がんの外見はポリープ状や潰瘍状が一般的で、X線検査や内視鏡検査によって異常な凹凸・変色部分を探すことで診断ができます。

胃がんステージ4の余命は?

ステージ4の胃がんの場合、平均余命は8~13ヵ月との数値が見うけられます。幅がありますが、余命は患者さんによって差があって、生存率のように明確な数値化はできません。
がんの余命は、生存率などを参考に医師の経験や過去の症例・患者さんの状態を考えあわせて個別に推測・告知するものです。したがって、普遍的な余命は存在しないと理解しましょう。
なお、5年生存率を見ると5.8%で、ステージ4の診断から3年以内に約90%の方が亡くなっています。平均すると1年前後になるでしょうか。

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