内視鏡治療の種類
内視鏡治療の種類はいくつかあり、
・内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
・内視鏡的粘膜切除術(EMR)
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
・内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
・ホットバイオプシー
・コールドポリペクトミー
などが挙げられます。
それぞれで対応できる病気や治療内容が異なりますのでひとつずつ見てみましょう。
内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)は、主に良性のポリープ(腫瘍)を切除するための治療方法となります。
隆起していて茎や突起部分が10mmから15mm以内の比較的小さな腫瘍が治療対象です。先端がループ状のワイヤーになっている高周波スネアと呼ばれる機器で腫瘍部分に投げ輪の要領で引っかけ、高周波電流を流して一気に焼き切る治療法です。切除した腫瘍を回収して検査を行い、悪性でなかったかを確認します。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、胃や大腸にできた早期のがんを切除する際に用いられる治療方法で、大腸ポリープを切除する際にも使用します。
突起部分がない平らな腫瘍に対して用いる方法で、生理食塩水を注入し意図的に隆起させて高周波スネアを引っかける部分を作ります。
高周波スネアを引っかけやすくなると穿孔の合併症リスクも下がるため、患者様の負担も軽減が可能です。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)はEMRの弱点を克服し、20mm以上の病変を一括切除できる治療法です。スネアでは大きいサイズの腫瘍は分割して切除する必要がありましたが、専用のナイフを使用することで少しずつ剥いでいくことができるため、大きいサイズの腫瘍にも対応可能です。
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
内視鏡的乳頭筋切開術(EST)は十二指腸への出口である十二指腸乳頭を広くすることを目的とした治療方法です。
内視鏡の先端からナイフのついた器具を出して乳頭部を切開して、うっ滞した感染胆汁や結石を取り出していきます。
ホットバイオプシー
ホットバイオプシーは、ホットバイオプシー鉗子と呼ばれる機器を使用し、5mm以下の小さなポリープをつかみ取るように高周波電流で切除します。
コールドポリペクトミー
コールドポリペクトミーは10mm以下の腫瘍を、電流を使わずに切除する治療方法でペースメーカーを埋め込んでいる患者様でも利用可能です。ワイヤーを締めていくことで腫瘍を切り取ります。
この記事を監修してくれたお医者さん
粟田裕治
ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック 院長
略 歴
日本医科大学卒業/川崎幸病院 初期臨床研修/川崎幸病院 消化器内科/医療法人社団CMG ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック 院長
保有資格
日本内科学会 認定内科医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本病態栄養学会認定 NST研修修了/緩和ケア研修修了/難病指定医
配信: 医科歯科健診コラム
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