「膀胱がんの予防法」はご存知ですか?症状・原因も解説!【医師監修】

「膀胱がんの予防法」はご存知ですか?症状・原因も解説!【医師監修】

膀胱がんの原因

膀胱がんの原因は、生活習慣や職業的な暴露と密接に関連しています。膀胱がんの原因は以下の通りです。

・喫煙:膀胱がん患者さんの中で高い割合を占めます。タバコの煙に含まれる発がん性物質が、血液を通じて膀胱に運ばれ、尿中に排出されることで膀胱の細胞に影響を与えます。

・職業的暴露:化学物質、特にナフチルアミン、ベンジン、アミノビフェニルなどが含まれる環境での作業は、膀胱がんのリスクを高めます。

・飲酒:近年、飲酒も膀胱がんとの関連が指摘されています。アルコールが代謝過程で生成するアセトアルデヒドには発がん性があるとされ、多量のアルコール摂取は膀胱がんのリスクを増加させる可能性があります。

・そのほかのリスク要因:ビルハルツ住血吸虫の感染や、一部の薬物の長期使用、膀胱に近い臓器への放射線治療も、膀胱がんの発症リスクを高めるとされています。

したがって、生活習慣の改善と職業的な対策が、膀胱がんのリスク低減には重要です。

膀胱がんの診断・検査

膀胱がんの診断をするためには、複数の検査が必要です。ここからは膀胱がんの検査方法について解説します。

尿検査

膀胱がんの尿検査では、尿中にがん細胞が含まれているかを調べます。この検査は、膀胱がんやそのほかの尿路系の疾患を示す可能性がある異常を発見するために使用されます。
具体的な検査方法には、尿細胞診や尿中の特定の腫瘍マーカーを測定する検査が含まれることがあります。

超音波検査

超音波検査は、超音波プローブ(探触子)を体の表面に当て、臓器から反射する超音波を用いて内部構造を画像化します。超音波検査は、膀胱の状態や腫瘍、さらには周辺臓器を把握するのに適しています。特に、腎臓の水腎症のような合併症の診断にも役立ちます。
ただし、膀胱の表面に広がる上皮内がんの検出や、膀胱内結石、血塊との区別は困難な場合があり、追加的な検査が必要になることがあります。

膀胱鏡検査(内視鏡検査)

膀胱鏡検査は、尿道を通じて膀胱内に内視鏡を挿入し、膀胱の内壁を直接観察して、がんの位置、大きさ、数、形状などを確認します。
検査後には、一時的に血尿や排尿痛、稀に発熱などの副反応が見られることがありますが、自然に解消します。膀胱がんの初期診断や治療方針の決定に必要不可欠であり、がんの特性を理解するのに重要な手段となります。

MRI検査・CT検査・骨シンチグラフィ

膀胱がんの診断におけるMRI検査、CT検査、骨シンチグラフィは、がんの広がりや進行度を明らかにするために用いられます。
MRIは軟組織の詳細な画像を提供し、CT検査は膀胱と周辺組織の断層画像を通じてがんの存在を把握するのに役立ちます。
骨シンチグラフィは、がんが骨に転移していないかを調べるのに使用されます。これらの検査は、膀胱がんの正確なステージング(ステージはIからIV)と適切な治療計画の策定に不可欠です。

TURBT

TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)は、膀胱がんの診断と治療に広く用いられる方法です。TURBTでは、全身麻酔または下半身麻酔の下、内視鏡を尿道を通して膀胱に挿入し、高周波電流を使用してがん組織を切除します。
切除された組織は顕微鏡下で検査され、がんの深達度や細胞の性質を確認することで、より精確な病理診断が行われます。

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