「膀胱がんの予防法」はご存知ですか?症状・原因も解説!【医師監修】

「膀胱がんの予防法」はご存知ですか?症状・原因も解説!【医師監修】

膀胱がんの治療方法

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)は、膀胱がんの治療および診断に利用される内視鏡的手術方法です。この手術では、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を事前に服用させることにより、膀胱内のがん組織を赤色に蛍光発光させる光線力学診断(PDD)を活用します。
5-ALAはがん細胞に蓄積し、特定の光を当てることでがん組織を明瞭に可視化し、より精密ながんの切除を可能にします。
手術は全身麻酔または腰椎麻酔下で行われ、尿道から内視鏡を挿入し、電気メスを使用してがん組織を切除します。この方法により、お腹を開くことなく、がんの除去と正確な病理診断を目指します。
さらに、精度の高い病理診断を得るために、TURBO(経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術)を行う場合もあります。TURBOでは、腫瘍を一塊で切除することで、腫瘍の深達度や断端の状態をより詳細に確認でき、治療計画の精密化に寄与します。

膀胱がんについてよくある質問

ここまで膀胱がんなどを紹介しました。ここでは膀胱がんについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

膀胱がんにステージはありますか?

村上 知彦(医師)

膀胱がんのステージは、がんの進行度を表す指標で、ステージ0からステージIVまでの5段階に分けられます。
・ステージ0:この初期段階では、がん細胞は膀胱の内側の表面的な層、粘膜に限定されています。
・ステージI:がんが粘膜を越え、膀胱の内壁へとわずかに浸透していますが、筋肉層には達していません。
・ステージII:この段階のがんは、膀胱の筋肉層にまで侵入しており、がんの進行が顕著になり始めています。
・ステージIII:がんが膀胱の筋肉層を超えて外側に広がり、近接する組織や器官にも侵入しています。
・ステージIV:進行した段階で、がんは膀胱を越えて体のほかの部位に転移しています。
各ステージはがんの広がり具合を示しており、治療戦略や予後の判断に重要な役割を果たします。

膀胱がんは転移や再発がありますか?

村上 知彦(医師)

膀胱がんのその後の経過は、がんの進行度に大きく左右されます。早期の膀胱がんは再発する傾向があるため、定期的な検査が非常に重要です。
手術前には、再発防止のため抗がん剤治療が施されますが、新たながんが腎盂や尿管などに発生するリスクは残ります。
したがって、膀胱がんの治療後は、再発や転移のリスクに対する警戒と共に、定期的な健康チェックが不可欠です。

膀胱がんの予防法はありますか?

村上 知彦(医師)

膀胱がん予防には、日常生活の中で実践できる対策があります。その対策は、以下の通りです。
・禁煙:禁煙は膀胱がんをはじめとする多くのがんのリスクを減らします。
・化学物質への曝露回避:特に化学工業に従事している場合、職場での対策を徹底し、発がん性のある化学物質への曝露を避けることが重要です。
・適切な水分摂取:十分な量の水を飲むことで、膀胱がんのリスクを下げることが期待できます。
・健康的な食生活:過度な加工肉の摂取を避け、果物、野菜、全粒穀物など栄養バランスの取れた食事を心がけることも膀胱がん予防に貢献します。
これらの対策を日々の生活に取り入れることで、膀胱がんのリスクを低減できます。

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