14歳少女が50歳男につけ込まれ性的関係を…“衝撃の実話”が示す加害者のおぞましい手口

14歳少女が50歳男につけ込まれ性的関係を…“衝撃の実話”が示す加害者のおぞましい手口

 2024年8月2日より、映画『コンセント/同意』が公開されている。同作は2020年に出版され、フランス中が騒然となった“告発”を綴った書籍を原作としている、つまりは“実話もの”だ。

性加害を直接的に描く内容で「R15+」指定に


 先にはっきりと言っておかなければならないのは、本作が性加害を直接的に描いておりR15+指定がされていること。映画の公式サイトにも「ご鑑賞予定の皆様へ」と注意書きがあり、クリックすると「鑑賞されるお客様によっては、フラッシュバックを引き起こすことやショックを受けることが予想されます」などと表示される。

 意図的に強い嫌悪感を抱かせる内容でもあるため、十分な覚悟を持って鑑賞したほうがいいだろう。だからこそ、後述するように未成年者を搾取し支配するグルーミングおよび性加害が、いかに許されざる犯罪なのかを、改めて当事者の視点から“体感”する意義がある。

 その映像作品としてのアプローチへの賛否はあるかもしれないが、冒頭のテロップの「回想録『同意』を一部フィクションを交え映画化した。筆者の声を届けたい、それだけを願い、制作を行った」で示された通りの、作り手の意志を強く感じたのも事実だ。

 さらなる映画の特徴を紹介するが、未成年者への性加害の表現も含まれるので、ご留意のうえでお読みいただきたい。

冒頭から示される「責任を押し付ける」醜悪さ


 文学を愛する少女ヴァネッサは、50歳の作家ガブリエル・マツネフから求愛され、14歳になったときに“同意”のうえで性的関係を結んでしまう。

 映画の冒頭から、そのグロテスクさがありありと表れている。15歳のヴァネッサが「川に入ろうとする」まで精神的に追いつめらていると思しき姿が映し出され、そこにマツネフの「君は私の肌なしに私の愛撫やキスなしに生きられるのか?」「なぜ私を傷つける? 私は君にこの上なく誠実だった」など、自身の性加害を正当化し、しかも少女に責任や問題を押し付ける言葉が重なる。

 これは“脅迫”でもある。マツネフにとっては(あるいはヴァネッサもそう信じようとしていたのかもしれない)「光り輝く愛の物語」の終わりを許さない、過去のものにもしないと告げ、別れの手紙を綴った少女の「逃げ場」をなくそうとしているのだから。

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