深夜ならではの愛憎劇が繰り広げられる日本テレビの深夜ドラマ枠「ドラマDEEP」(2024年3月までは「金曜ドラマDEEP」)。第一弾となる稲森いずみ主演の『夫婦が壊れるとき』は、無料見逃し配信の「TVer」において累計2900万回以上が再生され、「23時以降放送のドラマ」における再生数の新記録を樹立する大反響を呼んだ。
以来、『癒やしのお隣さんには秘密がある』や『消せない「私」―復讐の連鎖―』といった話題作を次々と送り出している同枠で、現在放送中なのが吉谷彩子と浅川梨奈のW主演ドラマ『どうか私より不幸でいて下さい』だ。
序盤は、“姉が絶望する顔を見たい妹”による略奪ドラマ
7月9日にスタートした同作は、姉妹不仲もの。大手の銀行に勤めるエリート行員・信一(瀬戸利樹)と結婚し、幸せな日々を送る景子(吉谷彩子)。
景子の妹・志保(浅川梨奈)はそれを心から祝福しているように見えるが、実は心の奥底では、姉が不幸のどん底に突き落とされるのを楽しみにしている。そんな志保は、信一とひそかに逢瀬を重ねていて――。
深夜帯の姉妹不仲ドラマといえば、最近も山本舞香vs瀧本美織の『Sister』(日本テレビ系、2022年)や、栗山千明vs馬場ふみかの『けむたい姉とずるい妹』(テレビ東京系、2023年)といった作品が放送されてきた。
姉妹がいがみ合うこれらの作品に対し、『どうか私より不幸でいて下さい』は第3話の時点までは、妹が姉(が不幸になること)に執着しており、姉はどうやらそのことに気づいておらず、妹とは仲良しだと信じている……という点が大きく異なる。
いまのところ泥沼バトルは発生しておらず、妹の本性に景子はいつ気が付くのか?という部分が焦点となっているだけに、どうしても盛り上がりに欠けるところがあるが、ドラマ公式サイトに「妹と姉の壮絶マウントバトル」とあるだけに、目を覚ました景子の逆襲劇がいずれ始まるはずであり、その時が楽しみになる作品だ。
「私の幸せは姉が不幸になることだから」
志保はとにかく姉の景子を忌み嫌っている。それは姉が優秀で思いやりがあり、自慢の娘として母親の愛情を一身に集めていたから。
劣等感と嫉妬に苛まれた志保は、いつしか姉の恋人を次々と寝取るようになり、そのことに快感を覚えるように。だが、景子の婚約者として目の前に現れた信一は違った。なにもかもが志保の理想を具現化したような男だったのだ。
そして志保は、裏で信一を落としながらもふたりの結婚をあえて邪魔せず、景子が幸せの絶頂に至ったのちに不幸のドン底へと突き落とそうと計画を練る。
「だって、私の幸せは姉が不幸になることだから」
配信: 女子SPA!