「脳貧血になりやすい人の特徴」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!

「脳貧血になりやすい人の特徴」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!

脳貧血になりやすい人の特徴

それでは、脳貧血になりやすい人とはどのような方なのでしょうか。
以下に特徴や脳貧血を招きやすい生活習慣を挙げていきます。

長時間立ちっぱなしの人

長い時間立ったままでいると、重力の関係もあって血液が下半身に集まり、脳への血流が不足しやすくなります。

低血圧の人

一般的に「貧血の症状」という時に、脳貧血、特に起立性低血圧の症状を指している方が多いです。
この起立性低血圧とは、朝、寝床から起き上がる時や椅子から立ち上がった時などにふらつきを覚える状態のことです。
立ち上がった際、収縮期血圧(最高血圧)が20mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が10mmHg以上低くなる場合に起立性低血圧とみなされます。
これは普段は正常な血圧、もしくは高血圧の方でも、立ち上がったときに血圧が低下して起きることがありますので、自分は低血圧ではないと思っている方でも注意が必要です。

睡眠不足の人

睡眠不足の状態が続くと、自律神経系のバランスが崩れ不調を招き、脳への血流が低下して脳全体の酸素不足を招くことがあります。
いわゆる血管迷走神経反射による脳貧血の状態です。
この場合の脳貧血は、睡眠不足のほかに疲労の蓄積でも起こり得ます。

水分不足の人

人間は喉の渇きを覚えた時はすでに脱水状態であると言われています。
体内の水分が減少すると立ちくらみが起こりやすく、適切な水分補給は血圧を保つ仕組みである末梢血管抵抗を上げることが知られています。
水分補給の際は、一気にたくさんではなくコップ1杯程度の水を複数回に分けて摂ることで、身体への負担も少なく水分を補うことができます。

特定の薬を服用している人

起立性の低血圧には、普段服用している薬の影響で起こる場合もあります。
主に高血圧や狭心症の治療に使われる薬、ほか、抗うつ剤や安定剤なども起立性低血圧を招く可能性があります。
これらの薬を服用中の方で、脳貧血の症状が起こるようでしたら、主治医と相談してみてください。

脳貧血の前兆となる初期症状

脳貧血の前兆と思われる症状はいくつか挙げられます。
他の病気が潜んでいることも考えられますので、気になる場合は早めに医療機関を受診してください。

立ちくらみ

急に立ち上がった時に目の前が暗くなり、ふらつきを感じる状態が立ちくらみです。
急激に動いた時の反動で脳貧血が起こる場合がありますので、ゆっくり立ち上がるように気をつけましょう。
一時的なものであればさほど心配はいりませんが、頻繁に起こる場合や、気持ち悪くなったり失神したりする場合は他の病気の可能性も考えられます。
心当たりがあれば内科を受診してください。

めまい

「めまい」も脳貧血の際によく見られる症状です。
目の前がぐるぐる回るだけではなく、足元がふわふわした感じになる種類のめまいもあります。
それぞれ「回転性めまい」「動揺性めまい」と呼ばれます。
対処としては、まず安静にすることです。
また、普段から規則正しい生活を心掛け、自律神経系のバランスを乱さないようにしておくことも大切です。
めまいの症状だけではなく、ものが二重に見えるなど視界がおかしい、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は脳卒中などの緊急性の高い疾患が疑われますので、その場合はためらわずに救急車を呼んでください。

頭痛

頭痛にはさまざまな種類があり、片頭痛や身体・精神にかかるストレスが原因とされる緊張型頭痛、強烈な痛みを伴う群発頭痛、また、他の疾患が原因となって起こる頭痛もあり、自己判断で放置するのは危険です。
頭痛が繰り返し起こるようでしたら、その原因をはっきりさせるためにも頭痛外来や神経内科、脳神経外科といった科を受診してください。
また、痛みがだんだん強くなる、吐き気や嘔吐を伴うなど、いつもと違う頭痛の場合は緊急性の高い脳の疾患の可能性もありますので、我慢せずに救急車を呼んでください。

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