脳の出すシグナルにきちんと反応すること
ただ、脳は学習するので、たくさん食べているのにさらにたくさん食べてしまうと、満腹の刺激をあまり意味のないものと感じ、うまく反応しなくなってしまいます。
そして、次第に脳のつながりが壊れていくことで行動をコントロールできなくなってくる。
脳のつながりをいかに再構築するか、より強いつながりを作るようにしていくかは、脳を鍛えるしかないです。
食べ物が必要というシグナルが出ているときはちゃんと食べて脳を安心させる。逆に、食べたい欲求が強く出ていないときはあえて食べない。
たとえ昼ごはんの時間が来ても、空腹のサインが出ていないから食べないという風にして、血糖値が下がってきて、食べろという刺激が出て、そこで食べれば安心してくれる。
脳の出すシグナルに対して、体がちゃんと反応することがわかれば、脳はずっと適切な刺激を出し続けてくれます。
空腹なのにずっと食べるのを我慢すると、脳はもっと刺激を出しますが、それに対して適切な血糖値の上昇がないとさらに無駄な刺激を出してしまう。
それをくり返すと刺激が意味のないものになり、結果的に刺激に対する反応が壊れて、適切な満腹と空腹のサインが出せなくなるので、お腹がすいたと思ったらちゃんと食べることも大事です。
空腹時にたくさん食べる必要はない
なんとなく時間が来たから食べるのではなく、空腹感があるときに何かを食べたほうがいいですが、そのときにたくさん食べる必要はないです。
血糖値を少し上げて脳を安心させればいいので、そういったフィードバックを脳に与えて体を安心させてあげることで、脳のつながりも安定すると思います。
一旦壊れてしまった後は作り直すのが難しいですが、お腹いっぱいになるまで食べるのではなく血糖値を少し上げるだけで十分、そしてそこで止めてあげるということをくり返せば、摂食の回路を鍛え直して正常に戻していくことができます。
食べすぎるのは意思が弱いのではなく、脳が壊れている場合もあるので、普段から適切な脳の回路に対する反応を意識してコントロールしてください。
(TEXT:山田周平)
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配信: クックパッドニュース