「コロコロ便は大腸がん」が原因?初期症状や末期症状も解説!【医師監修】

「コロコロ便は大腸がん」が原因?初期症状や末期症状も解説!【医師監修】

大腸がんは腹痛・嘔吐・便性の変化などの症状が出現する疾患で、普段快便であった方が便秘気味に変わる可能性もあります。

しかし、大腸がんを発症したからといってすべての方が便秘になるわけではありません。

実は、大腸がんが発生する部位によって、出現する症状はさまざまであることが報告されているのです。

今回はそのような大腸がんの初期症状や末期症状・改善方法を解説します。

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監修医師:
山下 正勝(医師)

国立大学法人鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科勤務 / 某一般歯科7年勤務 / 国立大学法人山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

保有免許・資格
歯科医師
日本外科学会外科専門医
緩和ケア研修修了
JATEC(外傷初期診療ガイドライン)コース修了
NST医師・歯科医師教育セミナー修了
嚥下機能評価研修修了

大腸がんとは

大腸がんは大腸表面の粘膜に発生する悪性の腫瘍です。発症初期の腫瘍が小さい段階では、あまり自覚できる症状は出現しませんが、腫瘍が大きくなり便の通行を妨げるようになると腹痛や嘔吐などの症状が出現します。
しかし、すべての大腸がんで腹痛や嘔吐を出現するわけではありません。大腸は口腔側に近い右側と肛門側に近い左側に分けることができ、発症したがんがどちらに分類されるかによって出現する症状も異なります。
左側に大腸がんが発症した場合、便の通りが悪くなり腹痛や嘔などの症状が出現しますが、右側に発症した場合は便がまだ固まりきっていないので腹痛や嘔吐は目立ちません。一方、右側は腫瘍からの出血による貧血や腹部のしこりなどの症状があります。

コロコロ便は大腸がんが原因?

大腸がんによって便秘になることはありますが、便秘だからといって大腸がんを発症しているとは限りません。便秘の原因は加齢・食習慣、運動不足・がん以外の疾患など多岐にわたります。
また、便秘そのものが大腸がんのリスクにはならないという報告もあるため、便秘だからといって大腸がんと考えるのは早計かもしれません。

水分不足

便秘に対して水分補給を行ったとしても、便秘自体は改善しないという報告があります。しかし、脱水状態に陥りやすい場面では便秘になりやすいとされ、夏場などは脱水予防のために意識的に水分補給することが必要です。

ストレス・疲労

胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器とされます。これはストレス自体が自律神経を乱し、胃腸の機能にも影響を与えてしまうためです。この胃腸機能の異常により、下痢や便秘を引き起こしてしまうこともあります。

食生活・排便リズムの乱れ

大腸がんの発症に対して食生活は関係性が深いです。ある研究では、魚・乳製品・大豆・果物・野菜を多く摂取すると、食物繊維や葉酸などを取り入れることができ発がん抑制効果が期待できるという報告があります。
逆に肉類が中心の欧米型の食事では、大腸がんのリスクが上昇してしまうでしょう。また、食物繊維など便通をよくする成分を取り入れることで、便通もよくし排便リズムを整えることができます。

大腸がん・過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は大腸がんとは違い、大腸に器質的異常がないにも関わらず、下痢や便秘などの症状を呈する疾患のことをいいます。
特に20歳代から40歳代までの方に発症し、症状によって下痢型・便秘型・混合型に分類されます。症状としては大腸がんと酷似する部分があるので、気になる方は医師に相談し内視鏡検査などで器質的疾患がないかを精査してみましょう。

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