【大三島ブリュワリー】 とりあえず飲んだらわかる 「最高の一杯」 を 【愛媛/今治市】

これはビールを愛しすぎた熱い男の物語




本州と四国を結ぶ架け橋、しまなみ海道で繋がる6つの島の一つ「大三島」

別名「神の島」ともよばれており、日本総鎮守とされる「大山祗神社」が鎮座し、全国でも有数のパワースポットとして注目されています。

そんな大山祗神社の参道に、小さな地ビール醸造所があるのを知っていますか?

溢れる笑顔が印象的なご夫婦、ご主人の高橋享平さんは愛媛県松山市出身、奥様の尚子さんは富山県出身です。

二人の出会いはなんと東京藝術大学音楽学部! 全く違う分野を歩み、なぜ大三島に移住しブリュワリーを開いたのか。

これはビールを愛しすぎたご主人、享平さんが巻き起こす一つの物語の始まりです。

大のビール好きと公言するほど、ビール好きな享平さんは、大学時代はその魅力に取り憑かれ飲食店だけではなくビールイベントにも参加し、様々な種類のビールを制覇する毎日を過ごしていました。

そんな中、東京で開催されていたビールイベントにて大阪に醸造所を構える「箕面ビール」に出会います。

その時「世の中にはこんな美味いビールがあるのか」と衝撃を受け、ここで働きたい! と強く思ったその勢いは止まらず、大学院を休学し大阪まで突き進むほどクラフトビールの魅力に引き込まれていきました。

当時、尚子さんはあまりにもビールに恋する享平さんに少し気持ちが追い付かず、このままどうしようかなと考えたことも…。

今となっては、ビールにも熟成期間があるのなら、あれは私たち二人の熟成期間だったと笑顔で話してくれました♪

享平さんは箕面ビールでアルバイトしながらも大学院を卒業、大阪と東京の移動距離を行き来するハードスケジュールをこなした努力は人一倍です。

卒業後は、念願の箕面ビールの社員となり、結婚した後は尚子さんも一緒に働き始め、独立心は全くなくこのまま箕面ビールに骨を埋める覚悟で働いていました。

転機は突然に! 「自然を感じながら暮らしたい」

忙しい日々の中、尚子さんはリフレッシュに屋久島へ訪れます。

太鼓岩の上に立った時、心に今まで感じたことない感情が芽生え「田舎に移住したい!」と都会から離れたい思いを突然伝えます。

もちろんビールと切り離れた生活は考えられない享平さん、しかし奥さんの気持ちは大切にしたい! この両方を尊重した結果、「屋久島に醸造所を作ろう!」と開業を決意します。

しかし、屋久島で醸造所を作るには、電力の問題や気候など現実を突きつけられ、また自分たちより先に醸造所を作ろうと試みている人がいたことも重なり諦める結果に。

屋久島が第一候補だった尚子さんは大変落ち込みましたが、松山市出身の享平さんは、故郷からも近い「しまなみ海道」が頭に浮かび提案します。

ここ大三島なら、「気候の環境」「美しいロケーションと観光地」何よりしまなみ海道で「最初のブリュワリー」とたくさんのキーワードが当てはまる!

サイクリングブームもあり、ライフラインと自然を兼ね備えているのではないかと二人は大三島に訪れて、実際に生活しようとアルバイトを始めることにしました。

この判断こそが正解で、島の人の魅力と自然豊かな風景がどんな困難も乗り越えられる最大の応援エネルギーとなるのです。

なかなか条件にあった思い通りの物件を見つけるのは難しく、諦めそうになった事もありましたが生活していく中で繋がりの深さはもちろん、島民の改めて人の良さに触れ、その気持ちは次第に絶対ここ大三島で開業したいと思うように…。

そして二年越しに醸造所にピッタリの空き物件が見つかり、古い民家を改装し設備を整え、いよいよ2018年5月に「大三島ブリュワリー」開店です♪

もっとも開業した年には西日本豪雨が発生、そしてコロナ禍と続き現実は甘くありませんでした。

しかし大三島には、多くの若い人たちが県内外から来て、農業や飲食店を運営しているのもあり、仲間になったみんなが何よりのパワーの源に!

享平さんは、島の人たちに感謝すると同時に、恩返しとして自分たちに何ができるだろうと考えるようになりました。

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