「大腸がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

「大腸がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

大腸がんの原因とは?Medical DOC監修医が大腸がんの原因・原因となる食生活・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

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監修医師:
影山 広行(医師)

CT,MRI,PETなどの画像診断が専門、PET-CTを含めた健診、生活習慣治療、アンチエイジング、スポーツ医学などの実績も豊富
保有資格
放射線診断専門医
核医学専門医
PET核医学認定医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
抗加齢医学専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

「大腸がん」とは?

大腸がんは大腸と直腸の粘膜から発生するがんです。
大腸がんの罹患数、死亡数ともに増加しており、男女とも罹患率は第2位であり、死亡率では男性が第2位、女性が第1位となっています。発症予防、治療ともに十分な対策が必要な病気と考えられています。

大腸がんの原因となる食生活

肉類・加工肉

さまざまな研究結果から、赤肉(牛、豚など、鶏肉は含まれない)、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)は大腸がんのリスクを上昇させる傾向が示唆されています。赤肉のヘム(タンパク質と鉄が結合したもの)が原因であると推定されており、加工肉では亜硝酸ナトリウムが胃でニトロソジメチルアミンという発がん物質に変化することが原因の一つと考えられています。
ただし、赤肉の摂取と大腸がんの関連についてはほぼ一貫性のある結果を得られていますが、加工肉の摂取と大腸がんの発症との関連については一定していない印象を持っています。

飲酒

大腸がんと飲酒の関連については比較的はっきりとした関連が示されており、飲酒量の増加に伴い確実に大腸がん発症のリスクが上昇します。加えて、飲酒により口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、大腸がんなどの口腔から消化管のすべてのがんのリスクが上昇することがわかっています。

清涼飲料水・炭酸飲料

甘味飲料については研究結果がわかれており、関連がないとする結果もあれば、関連があるとする結果もあります。果糖、砂糖と大腸がんのリスクについても、関連がある、関連がはっきりしないといういずれの結果も存在します。加えて人工甘味料についても同様に関連の有無については結果がわかれています。

超加工食品

一般には赤肉(牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、山羊肉、子牛肉、鹿肉など、鶏肉は含まれない)については大腸がんのリスクが高くなるという一貫性のある結果が得られており、摂取量を考慮する必要があると思います。微妙な表現をしている理由としては、肉類にはタンパク質、鉄、亜鉛などのミネラル、一部のビタミンが含まれており、制限すれば良いということでもないように思います。
飲酒についても大腸がんのリスクが高まることについて一貫性のある結果が得られており、飲酒を控えるほうが望ましいでしょう。
大腸がんと甘味料(砂糖、果糖など)、人工甘味料(アスパルテーム、スクラロースなど)、糖質(糖類と米、小麦、とうもろこしのデンプンなど)のなどとの関連については一貫した結果が得られておらず、大腸がんのリスクという観点からのアドバイスはできません。ただし、他の病気については甘味料、糖質ともに過剰摂取でリスクが上昇するものが多く、控えたほうが望ましいでしょう。人工甘味料は少なくとも一部は安全である、安全ではないなど結果がわかれる傾向にあり、アドバイスはできません。
近年、超加工食品という概念があり、ポテトチップス、菓子パン、カップ麺、クッキー、ビスケット、冷凍ピザなどの多数の食材を含み、多くの添加物を含み、工業的なプロセスで製造された食品群を意味します。比較的新しい概念のため、エビデンスの集積は十分ではありませんが、大腸がんリスクとの関連はほぼ確実と考えられており、摂取を控えたほうがよい食材だと思います。

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