「急性リンパ性白血病の再発率」はどれくらい?再発した場合の症状も解説!

「急性リンパ性白血病の再発率」はどれくらい?再発した場合の症状も解説!

再発時の治療法

急性リンパ性白血病(ALL)が再発した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。ここでは、急性リンパ性白血病(ALL)が再発したときの治療法を紹介します。

寛解導入療法

寛解導入療法は白血病細胞を減らし、症状の軽減を目的とした治療法です。一般的に複数の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法を行います。
急性リンパ性白血病(ALL)の寛解導入療法では、4種類の薬剤を4〜5週間程度投与するのが一般的です。多剤併用療法は一つの薬を投与するより、白血病細胞の増殖を抑制する効果が期待できます。
白血病細胞は血液を通じて全身に広がるため、脳と脊髄を保護する髄液にも浸潤する場合があります。白血病細胞の浸潤を予防するために、免疫抑制作用を持つ抗リウマチ薬を脳脊髄液に注射します。

救援化学療法

救援化学療法は、がんが再発したときや寛解導入療法で寛解が見られないときに行われる治療法です。複数の薬を組み合わせて行う薬物療法が主流ですが、病気によって治療内容は異なります。
急性リンパ性白血病(ALL)には、薬物療法のほかに抗体薬物複合体や免疫療法剤、免疫細胞療法があります。

同種造血幹細胞移植

造血幹細胞移植はHSCTとも呼ばれます。移植には同種と自家の2種類があり、ドナーから細胞を提供してもらう移植を同種造血幹細胞移植といいます。自家造血幹細胞移植は、患者さん本人の造血幹細胞を採取・保存して再び本人に移植する方法です。

染色体異常や遺伝子異常がある場合

初期の治療反応が悪い場合

上記の場合は再発リスクが高いと考えられ、同種造血幹細胞移植が検討されます。急性リンパ性白血病(ALL)の治療では、自家造血幹細胞移植ではなく、主に同種造血幹細胞移植が実施されます。

キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法(CAR-T)

キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法(CAR-T)はがん免疫療法の一種で、次世代のがん治療薬として期待されています。
化学療法に抵抗性がある方や造血細胞移植後の再発が見られた患者さんなどを対象にした治療では、完全・部分寛解の反応率が70〜90%あると結果が出ています。

放射線療法

放射線療法は、急性リンパ性白血病(ALL)の再発予防にも利用されています。この治療を予防的全脳照射といいます。
認知機能の低下や二次性がんなどのリスクや、心臓への影響があるため、慎重な検討が必要です。また化学療法への反応が遅い場合にも、放射線療法が行われます。

維持療法

維持療法は完全寛解後の状態を維持するための治療です。維持療法を受けることで白血病細胞を完全になくし、再発予防につながります。維持療法の期間は学校や仕事を含めて、通常の日常生活を過ごすことが可能です。
治療の流れは、まず寛解導入療法によって完全寛解を目指します。完全寛解後は、別の抗がん剤を使用して地固め治療を行い、維持治療に移行します。維持療法は、1~2年程続けられることが一般的です。

再発した場合の症状

急性リンパ性白血病は再発する恐れがあります。疲れやすさ・血が止まりにくい・感染症がなかなか治らない・頭痛・吐き気などの症状がある場合には、すぐに受診するようにしましょう。

疲れやすい

急性リンパ性白血病(ALL)は再発しやすいため、治療後も体調には注意が必要です。再発した際の症状に、疲れやすさがあります。急性リンパ性白血病が再発すると、血液中の細胞がうまく作れなくなり、貧血になります。
貧血になるとちょっとした運動でも疲れやすくなり、息切れや動悸を感じることも少なくありません。白血病の再発時に緊急で診察を受ける必要はありませんが、早めに診断を受けるようにしましょう。

血が止まりにくい

血が止まりにくくなるのも、急性リンパ性白血病(ALL)の再発症状の一つです。小さな傷でも大量に出血してしまったり、脳などの臓器に出血する場合があります。
白血病の影響で血小板が減り、出血しやすくなることが原因です。ほかにも鼻血が出やすくなったり、アザになりやすかったりします。

感染症が治りにくい

急性リンパ性白血病(ALL)の再発時には、以下の症状が現れます。

感染症にかかりやすい

感染症が治りにくい

これらは正常な白血球が減り、抵抗力が低下したことが原因で起こります。

頭痛がする

急性リンパ性白血病(ALL)の再発時に頭痛がする場合があります。白血病細胞が脳や脊髄の中枢神経に入り込んで、増殖するのが原因です。めまいが起こる場合もあります。

吐き気がする

頭痛の際と同じく、中枢神経に白血病細胞が入り込み増殖するため、吐き気がする場合もあります。急性リンパ性白血病の再発時にもみられる症状のため、続くようでしたら早めに検査を受けましょう。

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