相手に思いを伝える、サンリオのノンキャラクターグッズ
『LOVE COLLECTION』と題した、こちらもギフトを目的としたグッズです。
当初のサンリオは、イチゴ柄のグッズに続き、このようなキャラクター不在のグッズを作っていました。
「ギフトですからね。 送られた相手の心を打つ一言を添えてあります」と、高桑元編集長。
サンリオが、自らキャラクターを作ろうとしたワケ
こちらは、サンリオ初期に作られたキャラクターの『パティ&ジミー』の原画です。
パティ&ジミーを指し、「サンリオの特徴のひとつとして、原則として『キャラクターの原作者がいない』という点があります」と語る、高桑元編集長。
もともと、外部のクリエイターにキャラクターのデザインを依頼していたサンリオでしたが、後にキャラクターを自由に動かせないという問題が生じていました。
服のデザインや色を変えるといった、ほんのちょっとした変化であっても、いちいち外部クリエイターに確認を取らねばなりません。
内容によっては、クリエイターの許可が下りないこともあったそう。
そこで「じゃあ、自分たちでキャラクターを作ろう!」と誕生したのが、このパティ&ジミーでした。
「サンリオではあくまで作者と呼ばず、担当デザイナーと呼びます。 担当デザイナーの頭の中でキャラクターが動きまくるまで、生活や性格など、キャラクターのあらゆる身の回りを描き続ける。 そうすることで、平面のキャラクターに命が吹き込まれ、深みが増し、魅力的になってくるのです」と、高桑元編集長。
リトルツインスターズのキキとララも、パティ&ジミーと同じように作られました。
朝起きてどんな行動をしているのか、その時に使っているものはどんな物か?
そういった、語られない部分を数多く描くことで、キャラクターの世界が広がるそうです。
この私生活のイラストから、女の子のキキは几帳面で、男の子のララはちょっぴり雑でわんぱくなところがある様子。
「良くも悪くも、グッズ出身であるサンリオのキャラクターたちはストーリーを背負っていません。 そのため、物語性や世界観によるしばりがない為、ファンが想像力を拡げる余地が多く、より深くキャラクターがファンに寄り添うことができます。 その反面、一つのグッズという限られた面積に、その全てを表現しなければならない難しさもあるのです」と高桑元編集長。
配信: イマナニ