独身生活大謳歌中のアラサー、七尾紫と申します。フリーの編集者として活動しながら、彼氏は作らず、結婚願望も持たず、日々楽しく過ごしています。
私は「元カレ全員ダメ男です」と胸を張って言えるほど男運がなく、付き合うに至らなかった人も含めると数十人にのぼるほど。その半数は、マッチングアプリで出会った男性でした。今回は、私が体験した「本当にあったマッチングアプリの怖い話」の中から、“見つからない男”の話をさせてください。おそらく、マッチングアプリで最も多いトラブルだと思います…。
ダマしたりしない、“いい人”と出会いたい
まだ私がマッチングアプリを始めて間もないころ。当時26歳だった私は、それまで男性に傷つけられてばかりだったので、とにかく平穏な男女関係を望んでいました。なので、アプリ上で重視するのは「清潔感があり柔らかい雰囲気であるか」と「プロフィール文が丁寧かどうか」。とにかく嘘をついたりダマしたりしないような、いい人と出会いたかったのです。
そんなときにマッチした彼は、白を基調にしたカフェの中でロングコートを着てスッと立っている写真と、趣味と目的を書いたシンプルなプロフィールに惹かれました。光で飛ばしすぎなのか、お顔はあまり見えませんでしたが、メッセージから伝わるほど温厚で、2週間ほどやり取りが続いた末に「お花見をしよう」と言ってくれました。
それまでマッチングアプリで「飲みに行こう」か「家行っていい?」か「何カップ?」しか言われたことがなかったので、キュンとしましたね。
会う日までは「お仕事がんばってね」などとやり取りして、本当に春そのもの。今思えば、私の浮かれ具合も痛々しさすらありました。その日はまだ肌寒かったのに珍しくスカートなんか履いちゃって、るんるんで待ち合わせ場所に向かったのです。
待ち合わせ場所でなかなか会えなかったワケ
待ち合わせ場所は、お花見をする予定の公園の最寄り駅でした。彼に「もうすぐ着くよ」とメッセージをしながら、改札を抜け、少し待つことにしたのですが…彼も「着いた」と言うのに、姿が見当たらないのです。
「え?どこ?」「コンビニの前だよ」とやり取りしても、本当に見当たらない。もしかして飛ばれたか…⁉と思ったときに、電話がかかってきました。そのときすでに約束の時間から15分が経過していたと思います。電話をとると、同じくスマホを耳に当てた男性が近づいてきたのです。そして「ごめん!もっと早く電話かければよかった!」と言いました。
私は、「誰!?」と口からこぼれそうでした。写真とまったく違う。別人です。写真の中の彼は、細くて、おしゃれな雰囲気で、眼鏡もかけていなくて、髪の毛も生えていました。でも、私の目の前に立つ男性はその真逆。一つ年下だったはずですが、どう見ても10歳くらい年上に見えます。
そこからは思ったことを何ひとつ言えないまま、公園に向かってお花見を遂行。もはや任務と化したデートでした。缶ビール1本を15分で飲み干して、「仕事があるから」と謝ってそそくさとその場を去りました。そのあとも「忙しいのにありがとうね」とメッセージが来ていましたが、仕事を理由にフェードアウト。ひどいことをしたと思いますが、私にはこうするしかなかったんです。
配信: 女子SPA!