「大腸がんの予防法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「大腸がんの予防法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

大腸がんの原因とは?Medical DOC監修医が大腸がんの原因・原因となる食生活・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

≫「大腸がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

監修医師:
影山 広行(医師)

CT,MRI,PETなどの画像診断が専門、PET-CTを含めた健診、生活習慣治療、アンチエイジング、スポーツ医学などの実績も豊富
保有資格
放射線診断専門医
核医学専門医
PET核医学認定医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
抗加齢医学専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

「大腸がん」とは?

大腸がんは大腸と直腸の粘膜から発生するがんです。
大腸がんの罹患数、死亡数ともに増加しており、男女とも罹患率は第2位であり、死亡率では男性が第2位、女性が第1位となっています。発症予防、治療ともに十分な対策が必要な病気と考えられています。

大腸がんの予防法

定期的な運動

身体活動量が多いと大腸がんのリスクが低下することに関しては一貫性のある結果が得られています。また、大腸がん以外の多くのがんで運動習慣があるとリスクが低下することが示されています。
予防以外にも、一般に大腸がんなどのがんおよびその他の病気の治療中もしくは術後などの治療後でも定期的な運動により、体力を維持することができ、再発を抑制する効果もあるとされています。体調が十分回復していれば定期的に運動することが望ましいでしょう。

野菜・果物の摂取

野菜と果物の十分な摂取と大腸がんのリスク低下については関連がある、ないとわかれており、一貫性のない傾向がありますが、リスク低下がありとするほうがやや優勢な印象を持っています。食物繊維という観点からは、比較的新しい研究においてリスク低下がさらに優勢な結果が得られている印象があります。また、大腸がん以外のがんやがん以外の病気でも食物繊維の摂取でリスクが低下するという結果が優勢です。
おそらく食物繊維の多い野菜の摂取は大腸がんを含めたリスクの低下がより確実なように思います。果物に関しては缶詰、一部のカットフルーツでは健康への悪影響がある可能性が高く、一貫性がなくなる原因の一つであると考えています。果物に関しては摂取方法と量を考えたほうが良いのかもしれません。
発酵食品も食物繊維と同様に大腸がんのリスク低下と関連があるという報告が多数あります。主に研究がなされているのはヨーグルトなどの発酵乳製品、納豆などの発酵性大豆食品、キムチ、ザワークラウトなどの発酵野菜などです。また、同様に大腸がん以外のがんやがん以外の病気でも発酵食品の摂取でリスクが低下するという報告が多数あります。

禁煙すること、便潜血検査を受けること

大腸がんのリスクと関連して予防法を多く説明したので、以下はいままで触れなかった予防法を解説します。
その他の癌と同様、喫煙は大腸がんのリスクを上昇させますので、禁煙が望ましいことは言うまでもありません。
肥満も大腸がんのリスクを上昇させますし、その他のがんや病気のリスクも上昇しますので、食生活の改善や運動で、肥満から脱出することが望ましいでしょう。
そもそも大腸がんになりにくくする一次予防に加えて、二次予防(早期発見、早期治療)の話もしておきたいと思います。二次予防の基本は大腸がん検診などで便潜血検査を受けることです。
便潜血検査では便の中の少量の出血の有無を調べます。少量でも血液が混じっていると陽性と判定され、大腸カメラで大腸がんの有無を調べます。
大腸カメラでがんはなくてもポリープが見つかることがあり、ポリープの中にはがん化する可能性が高いものもあり、切除することになります。がん化の可能性が低いものについては、経過観察とすることもあります。また、一度ポリープができると、再発する人も多く、ポリープが完全に取り切れた場合でも、定期的な大腸カメラが推奨されています。

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