「大腸がんの予防法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「大腸がんの予防法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「大腸がんの原因」についてよくある質問

ここまで大腸がんの原因・予防法などを紹介しました。ここでは「大腸がんの原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸がんになりやすい人の原因を教えて下さい。

影山 広行 医師

今までの話のまとめとなりますが、食生活においては赤肉摂取、超加工食品の摂取が多い人、飲酒量の多い人、喫煙者、定期的な運動習慣のない人、食物繊維摂取量の少ない人、肥満者などとなります。加えて、大腸癌の家族歴がある、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの遺伝子異常を有する方も高リスクとなります。今まで触れてこなかったところでは、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の患者さんも大腸癌のリスクが高くなります。

女性の大腸がんが増加している原因を教えて下さい。

影山 広行 医師

現時点の通説としては、女性の大腸癌が増加している理由ははっきりしていないかと思います。
以前は、便秘が女性に多く、便秘と大腸癌との関連が疑われていました。近年では因果関係としてははっきりしないとされています。無論、進行大腸癌の症状としての便秘はあります。
また、大腸癌と乳がんとの関連、女性ホルモンとの関連なども疑われていますが、はっきりとした関連は示されていません。

ストレスが原因で大腸がんを発症することは考えられますか?

影山 広行 医師

ストレスと関連する胃腸の病気としては、下痢や便秘が続く病気の「過敏性腸症候群」となります。大腸とストレスとの直接的な因果関係はほぼないとすべきであると思いますが、大腸がんをふくめ多くの病気とストレスとの関連性を完全に否定するものではありません。

大腸がんと大食いに因果関係はありますか?

影山 広行 医師

大食いとの関連については内容にもよると思いますが、リスクが高まる可能性が高いように思います。というのも大食いによる肥満は大腸がんのリスクを上昇させます。また、食べ物に赤肉、超加工食品が多く含まれていると、同様に大腸がんのリスクが高まります。ただし、過食症、拒食症などの摂食障害と大腸がんとの関連はないとされています。

編集部まとめ

大腸がんは生活習慣との関連が強く、生活習慣の改善でリスクを低下させることができます。また、便潜血検査や大腸カメラなど早期発見する方法も確立されています。加えて治療法も、早期であれば大腸カメラによる内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった治療法で治すことができるものもあります。また、進行していた場合でも手術、化学療法、放射線治療で治療することができ、5年生存率も比較的高い悪性腫瘍です。とはいえ、男女とも罹患率は第2位であり、死亡率では男性が第2位、女性が第1位となっており、予防、治療ともにまだまだ対策が必要な病気です。
まずは生活習慣の改善による十分な一次予防が重要です。加えて、定期的な便潜血検査などの早期発見の努力が重要となります。

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