女子大生との”アパホテル密会”が文春オンラインで報じられた「KAT-TUN」の中丸雄一さんは、所属事務所を通じて謝罪し、謹慎することを発表した。
中丸さんは元日本テレビアナウンサーの笹崎里菜さんと今年1月に結婚を発表したばかり。しかし、文春オンラインによると、中丸さんは路上ナンパで声をかけて知り合ったという女子大生と今年7月、アパホテルに入って出てきたとされる。
文春の直撃を受けた女子大生は「何もなかった」「ちょっと相談事をして、すぐに部屋を出ました」などと肉体関係を否定したが、一緒に部屋に入ったことは認めた形だ。
中丸さんも事務所を通じて「この度、私の軽率な⾏動により関係各所に多⼤なるご迷惑をおかけしていることを⼤変申し訳なく思っております。そして何より、妻に対しては悲しい思いをさせてしまい、後悔の念しかございません」などと謝罪した。
中丸さんはホテルで何があったか言及はしていないが、謹慎が必要な重大事態と捉えていることは間違いない。
一般的に、不貞行為の慰謝料請求や離婚裁判などで、既婚者が異性とホテルに入れば「肉体関係があった」とみなされるのだろうか。そして「何もない」という言い訳は通用するのか。冨本和男弁護士に聞いた。
⚫︎ホテルに入った→「肉体関係があった」という推認がはたらく
ーー裁判になれば「ホテルに入ったけど何もしていない」という言い訳は通用するのでしょうか
裁判で慰謝料や離婚を請求する場合、請求する側が相手の不貞行為(肉体関係があったこと)を立証する必要があります。
不貞行為の証拠として有効なのは、メールやSNSでのやりとり、実際に肉体関係があることを連想させる写真などです。
今回のケースのように、配偶者以外の異性と2人でホテルに入った証拠がある場合を検討します。
男女がホテルの同じ部屋に入ったうえで、ただ話をしただけという状況は想定しづらいと考えられます。
社会通念上も、話だけではなく、肉体関係があったという強い推認が働きます。
ーーそれでも当事者が「何もしていない」と主張した場合はどうなるのでしょうか
肉体関係がなかったと主張する当事者の側が、この推認を覆さない限り、責任を免れることはできません。
しかし、肉体関係があったという推認を覆すためには、『部屋で話をしていただけ』などという言い訳では足りません。不貞行為があったと判断される可能性が高いでしょう。
また、本当に肉体関係がなかった場合であっても、配偶者以外とホテルへ入った事実が認められているケースで、そのことで夫婦関係が悪化したと言える場合には、慰謝料を請求できる可能性もあると考えます。
さらに、長期間の別居に至れば、離婚理由として認められることになります。
なお、ラブホテルではなく、今回のケースのようなビジネスホテルの場合、不貞行為以外の目的を主張されて否認される場合もあります。
その場合、ホテルに2人で入ったことだけでは不十分で「ホテルの同じ部屋で一緒に宿泊した」という事実まで主張・立証する必要があるでしょう。
【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp
配信: 弁護士ドットコム