キレイになるためには、さまざまな知識や情報を「知っておく」ことも大切です。
クイズに答えて正しい知識をインプット!
あなたの「キレイ」をアップデートしませんか?
キレイな肌はみんなの憧れ。
スキンケアに余念がない、という方も多いでしょう。
さて、ここでクイズです。
問題
私たちが化粧品などを使ってケアしているのは、肌のどの部分かわかりますか?
化粧品の浸透を謳えるのは表皮のどの部分まででしょうか?
1:死んだ細胞とも呼ばれ、すでに核などを失った状態である角層細胞が並んだ状態の角層(かくそう)※角質層とも呼ばれます
2:顆粒(ケラトヒアリン顆粒など)がつまっている顆粒細胞が肌のうるおいを作り出す、顆粒層(かりゅうそう)
3:表皮内で最も厚く、デスモソームと呼ばれる糖たんぱく質により接着され、それが細胞の表面上棘(とげ)のように見えることからこの名がついた有棘層(ゆうきょくそう)
4:表皮を育むスタート地点!基底(層(きていそう)
宣伝などで耳にする「肌の奥深くまで届く」「肌内部まで浸透」などの言葉。
化粧品は、どこまで浸透するといえるのでしょうか?
答えは・・・
1:角層(角質層)まで
解説
なんと、答えは最外層の角層までなのです。
こちらは、『日本化粧品工業連合会 化粧品適正広告のガイドライン 2020年版』でも定められています。
ガイドラインの『E3「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現』には「浸透等の表現は、化粧品の効能効果の発現が確実であるかのような暗示、及び効能効果の範囲を逸脱した効果を暗示するおそれがあるため、原則として行わないこと。」
と定められており、(1)「肌への浸透」等の表現において
「「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること。」と記載されています。
「肌の※奥深くまで届きます」の文章の下部などに「※角質層のこと」の記載があることに気づかれたことがあるかもしれませんね。
角層は、皮膚の最外層で厚さはなんとラップ1枚ほど。
そこに正常の肌の場合、部位にもよりますが大体3〜5枚ほどの角層細胞がレンガのように積み重なり、その間を細胞間脂質が埋めています。
実際、角層細胞と細胞間脂質の関係は、レンガとモルタルに例えられることも多いです。
一生懸命使っていた化粧品が、たかがラップ1枚程度の厚さにしか作用しない・・・ときいてがっかりしましたか?
とんでもない、そのラップ1枚程度の角層は、私たちにとってはなくてはならないものなのです。
少し、角層についてご説明します。
角層細胞の主な成分はケラチンと呼ばれる線維性のたんぱく質で適度な水分を含み、角層全体の柔らかさを与える役割をしています。
また、線維の間にはNMF(天然保湿因子)というアミノ酸などにより角層の水和性(保湿性や吸湿性)を調整しています。
この角層細胞の外側に細胞間脂質が存在します。
細胞間脂質は主に顆粒層で合成され、顆粒細胞が角層に移行する際に細胞外に分泌されます。
このときに、酵素の働きによりラメラ構造という幾重にも重なった、ミルフィーユのような層状の液晶を形成し、強力なバリア機能と水分保持機能を果たしています。
そして皮膚の表面を皮脂膜という皮脂腺由来の油分と汗腺由来の水分が乳化した状態でできた膜が覆っています。
このように角層は、紫外線や乾燥などを直接受ける位置にあるので、「外敵の侵入を防ぐ」「肌の水分蒸散をコントロールする」など、お肌のバリア機能という大切な役割を担っているのです。
角層はラップほどの薄い膜ですが、私たちにとっては欠かせないものなのですね。
例えば、角層がない状態で、プールやお風呂に入ったり、何かに触れたりすることを想像してみてください。
菌やウイルスなどがフリーで体内に入ってきてしまう状態を思えば、角層の重要性がわかりますよね。
皮膚は単に私たちの体を包む膜としてだけではなく、さまざまな働きを有する臓器の一つで、その重要性から第二の脳とも呼ばれています。
キレイでいるためにはもちろん、健やかでいるためにも、肌を大事にしたいですね。
[執筆者]
船木 彩夏
化粧品メーカー研究員
[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」
<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級
[監修]キレイ研究室編集部
配信: キレイ研究室
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