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気象災害をもたらす原因として、台風や梅雨前線、低気圧などがあります。
気象災害の中でも、特に大きな割合を占めるのが、大雨による土砂災害や浸水、洪水です。大雨は積乱雲という雲がもたらすため、雲の動きをいち早く把握することも有効な防災対策といえます。
そこで役に立つのが気象衛星です。
気象衛星という言葉自体は聞いたことがあっても、どんなものなのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回の記事では、気象衛星の仕組みや見方、活用方法を紹介します。
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気象衛星とは?
気象衛星とは、気象観測を行う人工衛星のことです。気象観測用の人工衛星を「気象衛星ひまわり」といい、赤道上空約35,800kmから地球を観測しています。地球の自転と同じ周期で地球の周りを回っているため、常に地球上の同じ範囲を観測できます。
出典:気象庁「気象衛星観測について」
気象衛星を用いることで、広範囲の雲や水蒸気の状態、海氷などの分布を観測できます。
雨雲レーダーとの違い
「雨雲レーダー」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。雨雲レーダーは、電波を発射するアンテナを地上に置き、その電波が水滴にあたり、反射して戻ってくるまでの時間から雨までの距離を測定します。そして、戻ってきた電波の強さで、雨や雪の強さを観測する仕組みです。
出典:気象庁「気象レーダー観測の概要」
雨雲レーダーは雨雲の場所や強度は把握できても、それ以外の雲に関する情報を得ることはできません。雲の状態を調べるためには気象衛星が必要なのです。
配信: 防災ニッポン