気象衛星の役割
気象衛星は、気象や気候の監視に役立てられています。
具体的には、気象観測が難しい海洋や砂漠、山岳地帯を含む広い地域の雲や水蒸気の分布を把握したり、海洋上の台風を監視したりしています。
海面水温や雪氷などを監視するためにも気象衛星が用いられています。その他、船舶や離島で観測された気象・潮位・震度データを中継する役割も担っています。
気象衛星の仕組みと画像の種類
気象衛星ひまわりには以下の3種類の観測装置が搭載されています。
・可視センサー(可視画像):雲の形や厚さを観測
・熱赤外線センサー(赤外画像):雲、海、陸の温度を観測
・中間赤外線センサー(水蒸気画像):大気中の水蒸気を観測
これらのセンサーから雲や水蒸気の状態を把握します。1つずつ画像と共に解説します。
可視画像
出典:気象庁「気象衛星ひまわり可視画像」
可視画像は、雲や地表面によって反射した太陽光を画像化したものです。反射の大きいところは明るく、小さいところは暗く映し出されます。
基本的に、厚みのある雲(積乱雲)ほど強く反射されて、可視画像では白く明るく映ります。
上の可視画像では特に福井県や北海道あたりに、白く明るくでこぼこした雲があるのがわかります。同時刻の雨雲レーダーをみてみましょう。
出典:気象庁「雨雲の動き」
可視画像で明るい雲がある福井県や北海道には、強い雨雲がかかっています。ちなみに可視画像で白くぼこぼこしている部分は、発達している積乱雲にみられる特徴です。
このように可視画像は雲の厚さや形状がわかりやすいメリットがありますが、一方で太陽光のない夜間は観測できないデメリットもあります。
配信: 防災ニッポン