寝苦しい夜に快適に眠る方法は?
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夏は夜も気温が高く、エアコンを稼働させないまま寝ると、熱中症の恐れがあります。一方、エアコンをつけたまま寝ると、翌日に喉が痛くなったり、おなかがゆるくなったりするなど、体調不良の原因になることがあり、悩む人は多いのではないでしょうか。
寝苦しい夜に快適に眠るためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。快眠のコツについて、睡眠に関する支援サービスを提供する、アスリートスリープコーチの矢野達人(やの・たつと)さんに聞きました。
室温を26~28度に維持するのがポイント
Q.エアコンを稼働させたまま寝たところ、翌日に喉が痛くなったり、おなかがゆるくなったりすることがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
矢野さん「さまざまな原因が考えられますが、喉の痛みに関しては『就寝中に口呼吸になっている』『室内が乾燥している』『エアコンの風が直接当たっている』などが考えられます。エアコンは空気を冷やす際に湿度も下げるため、室内が乾燥しやすくなります。乾燥した空気は喉の粘膜を刺激し、痛みや違和感を引き起こすことがあります。
そこで、加湿器を使用するなどして、室内が乾燥しないようにすることが大切です。推奨湿度は50%前後です。睡眠中は鼻呼吸が推奨されていますが、無意識に口呼吸になっているのはよくあることです。口テープなどのアイテムを使ったり、起床時から鼻呼吸を意識したりするなどで改善する可能性もあります。
また、おなかがゆるくなるのはシンプルに『冷やし過ぎ』といえます。エアコンの温度設定が低過ぎるとおなかを冷やしてしまい、胃腸の働きが悪くなり、おなかがゆるくなることがあります。エアコンの稼働時は、室温が26~28度程度になるように調節しましょう」
Q.では、気温が高い夜に快適に眠るには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。
矢野さん「最も大事な考え方は『心地良いと感じる環境を整えること』です。『エアコンは体に悪そう』『電気代がもったいない』などの理由でエアコンを我慢するのはよくありません。電気代を節約して得られる利益と、エアコンを使わずに睡眠の質を低下させてしまって被る不利益とを考えてみてください。健康に勝る利益はありません。エアコンの設定温度よりも室温に注目し、先述のように、室温が26~28度になるように調節しましょう。
涼しくて快適な寝室であっても、寝ているときは汗をかきます。それは体温調節のための生理反応であり、悪いことではありません。大事なのはその発汗をスムーズかつ清潔に行うことです。夏場でも、長袖のパジャマを着ることが推奨されているのはそのためです。
長袖でも、汗を吸い、上手に蒸発する綿などの自然素材の薄手の衣類を選ぶのがコツです。部屋着とパジャマは違うということを覚えておいてください。購入時は化学繊維の製品か自然素材の製品かで見極めると良いでしょう」
Q.寝苦しい夜にやってはいけない行為について、教えてください。
矢野さん「『夏場でもエアコンをガンガンにかけ、毛布にくるまって寝るのが好き』という人に会うことがあります。たしかに就寝時の快適さを得ているのかも知れませんが、大事なのは一晩の睡眠における体温調節です。朝までエアコンをガンガンにかけて毛布にくるまっている状態を続けるということは、上手に体温調節ができなくなるため、起床時に気だるさを感じることが多いと思います。
また、裸で寝るという人がいますが、先述の通り、睡眠中は汗をかくため、汗でシーツ類が汚れ、不衛生な状態になります。さらには、ダニが人間の皮脂を餌に繁殖するリスクも高まるため、正しい状態で心地良い環境をつくりましょう」
Q.就寝時に市販の冷感寝具を使用しても問題はないのでしょうか。
矢野さん「製品によるとは思いますが、冷感寝具を使用すること自体は問題ありません。夫婦で一緒に寝ていて、奥さまが寒がりでご主人が暑がりというケースはよく聞きます。それぞれにとって快適な空間をつくることが大切なので、ある程度は奥さまのことも配慮した室温に設定し、ご主人は冷感寝具などを使って調整するなど、冷感寝具の使用が有効なシーンは多いと思います」
配信: オトナンサー
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