女性2人に同意なく性的な行為をしたなどとして準強制性交致傷の罪で書類送検されていたサッカー・フランス1部リーグのスタッド・ランス所属の伊東純也選手とトレーナーの男性について、大阪地検が不起訴処分としたことがわかった。処分は8月9日付。伊東選手側の代理人が同日、明らかにした。
代理人の加藤博太郎弁護士は、起訴猶予での不起訴ではなく、嫌疑不十分あるいは嫌疑なしだと説明している。
報告を受けた伊東選手は「一貫して罪を犯していないと言っておりましたので、不起訴という判断にホッとしています」と話したという。
また、虚偽告訴罪で書類送検されていた女性2人についても不起訴処分になったという。
●「記事によってスポーツ選手の短い選手生命が終わる」伊東選手に誹謗中傷も
伊東選手側は、女性らに約2億円の損害賠償を求める民事裁判も進めている。また、7月29日付で女性2人と疑惑を報じた『週刊新潮』の担当記者らに対して名誉毀損罪で東京地検に告訴した。
加藤弁護士は、名誉毀損罪での刑事告訴の理由について、「虚偽告訴罪が不起訴になったとしても『逃がさない』という趣旨」と説明する。
「アジアカップの大事なタイミングで報じられ、大会離脱を余儀なくされた。このようなことが許されるとさまざまな大会が妨害されてしまう。伊東選手や弁護団への誹謗中傷もあった。
あたかも性加害をおこなっている選手とのレッテルを貼られ、1人の人生が終わり、スポーツ選手であれば短い選手生命も終わってしまうという伊東選手の懸念もあった。早期に日本代表に復活してほしい」(加藤弁護士)
大阪府警本部は、伊東さんが今年1月に大阪市内のホテルで女性2人にわいせつな行為をしたとして、準強制性交致傷の疑いで大阪地検に書類送検していた。
この問題は『週刊新潮』が報じたもので、アジアカップの日本代表から離れた伊東選手は「事実無根」だとして、女性らを虚偽告訴罪で刑事告訴していた。
配信: 弁護士ドットコム