加害者だけでなく被害者遺族も、消せない”デジタルタトゥー” 社会はどう対応すべきか

加害者だけでなく被害者遺族も、消せない”デジタルタトゥー” 社会はどう対応すべきか

●司法の判断に変化の兆し

デジタルタトゥーの問題は司法の場にも持ち込まれている。

2022年6月、最高裁はツイッター(現X)に残る過去の逮捕記事の投稿を削除するよう命じる判決を出した。

この裁判で原告代理人を務めた田中一哉弁護士(東京弁護士会)によると、ネット上に残る逮捕歴などの削除を巡っては、2017年に最高裁が「公表される利益」と「公表されない利益」を比較し、公表されない利益の優越が「明らかな場合」に限ると条件を付ける初の判断を示した。

これ以降、削除が認められにくくなっていたが、2022年の最高裁判決が出てからはツイッターの投稿を消せることが増えているという。

田中弁護士もデジタルタトゥーによって就職できなかったり引っ越しを余儀なくされたりする人に出会ってきたといい、次のように話している。

「社会に復帰できない人が増えていくことは社会のためにならない。実名報道にも疑問はあるが、個人情報保護法は報道機関を除外しているので、現実的な考え方としては個人がそうした記事を長期的に流通させられなくなると良いと思う」

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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