写真:PIXTA
日本には今後噴火する可能性のある111の活火山があります。
火山が噴火すると大きな噴石や火砕流、溶岩流が発生し、遠く離れた場所にも火山灰が降り注ぎ、生活に大きな影響を与える可能性があります。
火山灰は広範囲に影響をもたらすため、火山から遠く離れているからといって安心はできません。火山が噴火した時には火山灰の影響を把握し、早めに対策を行うことが大切です。
火山灰対策に役立つ情報として、気象庁が発表する降灰予報があります。
今回の記事は、火山灰の状況の把握や予想に役立つ降灰予報について紹介します。
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日本の火山の状況
出典:気象庁「我が国の活火山の分布」
日本には、北海道から沖縄にかけて111の活火山が点在しています。活火山とは、おおむね過去1万年以内に噴火した火山および、現在活発な噴気活動のある火山と定義されています。
火山の噴火による災害は、火山から近い場所で起こるというイメージを持つ方も多いでしょう。実際、ただちに命を奪うような大きな噴石や火砕流、溶岩流は、火山から近いほどリスクも高まります。
一方、噴火による火山灰は数十~数百km以上の遠方まで飛散し、火山から離れた場所にも影響を及ぼすため注意が必要です。場合によっては、交通障害や停電などのトラブル、また農業被害や健康被害をもたらす可能性もあります。
富士山が噴火すると東京でも降灰が予想されている
東京都心でも富士山の噴火によって火山灰の影響を受ける可能性があります。
大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループの降灰シミュレーションによると、富士山が噴火した際に、以下の条件がそろうと、東京都心では広い範囲で2cm以上の降灰、場所によっては10cmを超えると予想されています。
・宝永噴火程度の噴火が発生
・噴火の継続時間は15日間
・風向は西南西風が卓越
実際には噴火の規模や継続時間、風向により、火山灰の影響を受ける地域や被害は大きく変わります。
出典:中央防災会議・大規模噴火時の広域降灰対策検討WG報告書
都心で大規模な降灰が起きると、道路や鉄道が通行できなくなり、通信や水道、電気などのライフラインに影響を与える可能性があります。
また、物流が止まることによって店舗での食料や飲料水が枯渇し、生活物資の入手が困難になることも予想されます。
もちろん、大規模な噴火をもたらすのは富士山だけではありません。活火山は全国の様々な場所にあるため、噴火による火山灰の影響を受けるところは広域に及びます。
配信: 防災ニッポン