■寝室の温度が10℃以下だと夜間尿が増える? 寝室は18℃が理想的!?
寝室でお休みになる時は安静時になりますが、寝具をまとってお休みになる時26~28℃だと、暑すぎて寝苦しいと思います。外気温が氷点下になる寒冷地では家自体が冷やされますので、地域によっては高い温度設定が必要かもしれませんが、東京のように最低気温がマイナスになる冬日がほとんどない地域では、17℃から19℃程度が良いと考えます。住環境によりますので、温度設定を20℃以上にする必要性もあると思います。しかしながら、寝ている間に布団から抜け出ている、布団をはいでいるようだと、室温が高いと言えます。室温を見直すか、服装を考え直す必要があります。
WHOは、16℃未満の室温で生活すると呼吸器に影響が出ると言っています。健康な人は、就寝中の外気温や室温が何℃でも対応できると思いますが、40年に及ぶ臨床経験から考えると、体が弱っている人は、以下のように感じると考えます。
16℃~15℃ 呼吸が少し苦しい
14℃~13℃ 鼻から吸う空気を冷たく感じる
12℃~11℃ 鼻から吸う空気を痛く感じる
10℃~9℃ 鼻が詰まり始める
8℃~7℃ 鼻水が出始める
6℃~5℃ 呼吸がつらい
4℃以下 寒くて目が覚める
室温が低くなると何度も目が覚め、その度にトイレへ行く人は少なくないようです。特に室温が10℃以下になると、鼻が詰まり始めて呼吸が苦しくなるため、眼が覚め易くなります。午前3時から5時頃は、一番気温が低くなりますので、10℃以下の室温でお休みになっている人は、体温が低下しないように寝間着を多めにし、タイマーを利用して暖房器具を使用するなどの対策が必要です。エアコンだと空気が乾燥して喉が痛くなるという人は、オイルヒーターがお勧めです。また、部屋が乾燥している人には、スチーム型の加湿器が、室温と湿度維持に有効です。
寒い室温の寝室で何日も過ごしていると、寒さに対応していることにより体が疲労してきます。11月頃より寒くなりますので、3か月を超えた頃つまり2月頃より、首や背中が張る、腰を動かすと痛い・重だるさを感じる、頭痛がする、目が疲れやすい、食欲が少し落ちた、動かすと膝が痛い、集中力が落ちた、気力が少し落ちてきたなど、低体温症に似た症状が出てきます。
寝室の環境対策を知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムを参照戴きたく思います。
「北向きの部屋にいると病気になりやすい?日当たりの確保が病気回復には大切!?」
■夜間尿の対策に「寝床内気候」は有効?最適な温度は33℃!
お布団に入っても、寝床が冷たいとなかなか眠れません。体熱がお布団に奪われると、その時点で尿意を催します。
一晩中目が覚めないで眠るためには、「寝床内気候(ねどこないきこう)」を整える必要があります。「寝床内気候」とは、布団の中の温度や湿度のことです。「寝床内気候」の最適値は、温度32~34℃、湿度50±10%と考えられています。33℃は、風呂上がりにかけると良いぬるま湯の温度でもあります。手にかけて、熱くもなく冷たくもない温度です。お布団の中も、33℃くらいが最適とされています。体温より少し低めなので、体から出る放射熱が布団に移り、眠りやすい状態になります。また、布団内の湿度は、50%前後が良いとされています。睡眠中は汗が出ます。布団内の湿気が多すぎると寝苦しくなりますので、汗をかいた状態や風呂上がり直後お布団に入ると、目が覚めやすくなります。
お布団は、定期的に日干しすることが理想的です。しかしながら、日照時間が短い冬の時期、雪の多い地域の人、布団を干すことが出来ない住環境の人は、布団乾燥機がお勧めです。また、湯たんぽを二つ用意して、寝る30分前にお布団の中の腰と足元に入れ、お休みになる時は腰の部分にある湯たんぽを足元に2つ50センチほど離しておくと、「寝床内気候」を整えることに役立ちます。
お子様の夜間尿にも有効な対策です。詳しく知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムを参照戴きたく思います。
「日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?」
配信: JIJICO