そもそもなぜ人の血を吸うの?蚊についてのあれこれ
蚊にはそもそもどのような種類がいて、なぜ人の血を吸うのでしょうか?
身近にいる蚊や血を吸う理由を見ていきましょう。
蚊の種類
日本には約100種類の蚊が生息しているといわれます。
ただし全ての蚊が吸血するわけではなく、血を吸うのは20種類ほどです。
このうち、私たちが日常で目にしやすい蚊を見ていきましょう。
▼ヒトスジシマカ(一筋縞蚊)
体長約4~5mm
体に白い線がある
いわゆる「ヤブカ」と呼ばれる蚊で、5月頃から10月下旬頃まで見られます。
東北の北部と北海道にはいないといわれていますが、地球温暖化の影響により生息範囲が広がるのではと懸念されています。
デング熱・ウエストナイル熱・ジカウイルス感染症・チクングニア熱などを媒介することがあるので要注意。
▼アカイエカ(赤家蚊)
体長約 5.5 ㎜
全体的に茶色い
日本全国に分布しており、どこででも見られます。
活動時期は夕方から夜で、移動範囲は数キロにおよぶこともあるそう。
名前の通り、家の中にも積極的に入ってきます。
ウエストナイル熱を媒介することがあります。
またアカイエカの中でも特に注意したいのが、「コガタアカイエカ」。
日本全土に生息し、日本脳炎を媒介します。
▼チカイエカ(地下家蚊)
体長約5mm
全体的に茶色い
ビルの地下などに生息し、冬でも活動します。
冬に蚊に刺された場合は、チカイエカだと推察してよいでしょう。
外見はアカイエカとほぼ同じで、肉眼で見分けるのはほぼ不可能です。
ウエストナイル熱を媒介することがあります。
▼シナハマダラカ(支那翅斑蚊)
画像:Public Health Image Library
体長約5mm
茶褐色で、翅に黒いまだら模様
日本全国に分布している蚊で、このハマダラカ類はマラリアを媒介することでも有名です。
日本で流行したマラリアのほとんどが三日熱マラリアと呼ばれるもので、このシナハマダラカが媒介者とされています。
参考:蚊に対する対策|奈良県
血を吸うのは子孫繁栄のため
蚊が血を吸うのは、卵を産むためです。
卵を作るには、タンパク質などの栄養素が必須となります。
蚊は命の危険を冒して生物の血を吸い、栄養補給をしているのです。
すなわち人の周りに集まって吸血している蚊は、産卵期前のメスだということ。
オスの蚊や産卵期以外のメスの蚊は、樹液や花の蜜を主食としています。
寿命は20~40日程度
蚊は卵から幼虫(ボウフラ)を経て、短期間で成虫になります。
アカイエカの場合、条件がそろえば、卵から成虫になるまでの期間はわずか10日です。
蚊の卵がたくさん産み付けられていれば、短期間で一斉に蚊が湧き出てきます。
ただし蚊の寿命は短く、オスの寿命は羽化してから数日です。
メスでも20~40日程度しかなく、長生きする昆虫ではありません。
ただし卵をたくさん産むため、新しい蚊が次から次へと発生します。
まとめ
蚊が媒介する病気はさまざまある上、刺されたところがかゆくなったり赤くなったりするのは非常に不快です。
小さな子どもには負担も大きいため、蚊に刺されない対策を徹底しましょう。
近年は地球温暖化により、蚊が生息できる期間が長くなったり地域が拡大したりする傾向が見られます。
夏はもちろん、秋冬も蚊への対策は必須です!
文/カワサキカオリ
配信: ASOPPA!
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