【Hau‘oli 】ハウオリ HINANO YOSHIKAWA
毎回自由に内容を変え、お送りしていくひなのの連載。ハウオリはハワイ語でHAPPYの意味です。
「親愛なるYOPPYと♡」
出会いは二十数年前、原宿「369」で。
—今回、スペシャルゲストとしてモデル・タレントのYOPPYさんが登場。実は、本連載がスタートしてからひなのさんがゲストを迎えるのは初めてのこと。まずは、お2人の出会いについて伺います。
ひなの(以下H) そうなの! 連載にゲストを招くのはよっちゃんが初めてなんだよ。
YOPPY(以下Y) イエーイ! 嬉しいです。ありがとうございます!
H わたしたちが出会ったのは、よっちゃんがまだ高校生のときだったよね。原宿に「369」というヘアサロンがあって。私がそこにいたら、突然よっちゃんがあらわれて。
Y そうそう! 高校生の私からすると、吉川ひなのちゃんはもちろん知ってるし、大阪から出てきた私は「憧れの存在が実際におるやん」となったわけで。もう、すごい胸熱で湧いてるわけですよ。「友だちになってください」って勇気を振り絞って言ったのに、拍子抜けするほど気軽に「いいよ〜」って(笑)。
H そこからずーっとお友だちだよね。
Y あまりに自然に友だち関係が始まっちゃったけど、そんな芸能人いないですよね。
H よっちゃんと出会ったときは、振り返ってみると人生で一番どうかしてた時期かも(笑)。よく原付バイクで、お家まで遊びに行ってた。
Y 2人でカラオケ行ったりもした。当時、ひなのちゃんが住んでいたお家が好きだったな。
H 懐かしいね。自宅からいつも原チャリで移動していて、その何年後かにはビッグスクーターに乗るようになったの。
Y けっこうイケる人なんですよ〜。
H 超乗ってたよね、わたし。
—当時のお互いの印象って覚えていますか?
H よっちゃんは、なんでこの人はこんなに生きていくのがうまいんだろうと思ってた。
Y いやいや、そんなことないよ。
H いつも、こういうふうに生きられたらいいなってすごく憧れていたんだよね。人間関係やコミュニケーションがすっごい上手なの。
Y 褒めてくれるけど、そんなことないですよ。
H 当時のわたしは、自分の立ち位置もよく分からなかったし、人見知りだし、すぐシャイになっちゃう。よっちゃんを見てると、「わたしって、本当にイケてないな」って。だけど仲よくなった人だけには、何でもいえるし、何でも見せられる。
—YOPPYさんに対してはすぐにそうなれた?
H 人生で何人かだけ、突然心を開ける人があらわれるんだよね。自分でもどんな定義があるか分からないんだけど。よっちゃんには、出会ってすぐに心の扉がバーンって開いたの。
Y 嬉しいな。昔、そんな話をしてくれたのも覚えてる。あまりにいつも私と一緒にいてくれるから、いいんかな? って心配になったこともあって。
H 恋バナもたくさんしてたよね。「よっちゃん、もうあの男の人のところには行かないで!」「また彼に連絡したでしょう!?」とよく叱った(笑)。
Y 隠れてね(笑)。ダメって叱られるのに、会いに行っちゃう。ま、若気の至りだからしょうがない。
H だから全部知ってるし、知られてます。
Y はい、私も全部知ってます。ひなのちゃんはすごく面倒見がいい人なんです。恋愛相談にものってもらっていたし、ゴハンもよく作ってもらってた。
H でも、あるときからよっちゃんが急に自炊をするようになったよね。ちょうどわたしが一番上のコを産んだくらいのころ。ハワイに遊びに来たときに、夜遊びして帰ってきて、私にゴハンを作ってから寝て、また夜になったら遊びに出かけてた。
Y それは本当に申し訳なくてね。初めての子育てで忙しいのに、お家に泊まらせてもらって、しかも夜遊びしまくっているという……。
H わたしはなんとも思ってなかったけれど、きっとよっちゃんのことだから気にしてたんだね。
Y 若さのせいにするけど(笑)、夜出かけるとき罪悪感で心がざわざわしてて。それでも遊びたい欲がおさえられなくて、「行ってきます!」って。それから数年後に、私も出産してみて痛感するんだけど、普通の人だったら怒るでって思いました。
H わたしからすると、よっちゃんがゴハンを作ってくれただけで「奇跡!」と毎日思ってたから。
Y それまでは作ってもらうばっかりやったんでね。いつも美味しい、美味しいって。私が作ったことなんて一度もなかったもんな。
出産後、〝師匠と弟子〟感がアップ
[HINANO]ニット¥55,000(エストネーション)、スカート¥82,500(マンテロ/共にエストネーション グランフロント大阪店) [YOPPY]ジャケット¥31,900、シャツ¥36,300、ショートパンツ¥25,300(全てフィーニー)
—密な青春を過ごしたお2人が、今では3人の子どもを育てるお母さんになりました。
H 信じらんないよね?
Y お母さんになってからのほうが、より師匠と弟子っぽさが強くなりました。母になるという点でもひなのちゃんは先輩やし、私も出産のたびに何か困ったことがあったら「これってどうなん?」と質問をぶつける。すると倍以上の回答くれる。教えてくれたおかげで、出産がスムーズだったのに、回答をもらいっぱなしで返信をしないなんてことも……。
H そうそうそう(笑)。でも、よっちゃんにそれをされたからといって別に気にならない。よっちゃんって、本当の意味ですごい熱い人だし、ちゃんとしてる。「きっと忙しいんだろうな」ぐらいに思えるというか、心と心がつながってるから大丈夫。表面だけ取り繕ったりしないしね。
Y ありがたい。逆子かもしれへん、どうしようとか切羽詰まった相談もたくさんさせてもらって。
H 懐かしいね。しかも、すごいミラクルが起きたんだよね、よっちゃん。
Y そう、逆子が治ってん。
H 絶対、大丈夫だからって信じていたし、何度もそう伝えてたよね。入院もしたけど、無事に退院できて、やっぱり大丈夫だったの。
Y その間もずっと連絡を取り合っていて、お医者さんに自分の意思を伝えるときは、どんな言い方をすればいいのか? とか、もう細かいことも含めて台本みたいなものを一緒に考えてもらったしな。私、けっこう言えないんですよ。でも、セリフにしてもらうと自分の思いを伝えやすくて。
H よっちゃん、超気遣いの人だから言えなくなっちゃうんだよね。でも、よしこの人生はよしこのものだから、先生がどうかなんて関係ないよって。
Y ハワイからな(笑)。
—ハワイと東京で遠距離であっても、結婚や出産で人生の転機が訪れても、親友関係は変わらないままだったんですね。
H 距離や会える頻度はまったく関係なくて。わたしは、本当の友だちがいっぱいいなくていいと思ってるの。それに、心を開ける友だちに対しても、いつも会わなくてもいいし、いつも連絡を取らなくてもいい。相手がわたしのことを友だちと思っていようが友だちじゃないと思っていようが、それもどっちでもいい。自分が友だちって思っているなら、それが大事なこと。
Y 人に対しての入り口がほんま優しいですよ。あまり交流がなかった後輩でも、「会いませんか?」と久々に連絡がくると、ちゃんと会ってあげるし。別け隔てのない優しさがすごいなぁって。
H 優しいかは分からないけど、よしことも連絡が途切れるときもあるよね。だけど、途切れていた時間があっても、突然の会話がいきなりディープなところから遠慮なく始まっていく。
Y 社交辞令みたいなものがまったくない(笑)。瞬間にいつもの関係性に戻れる。今は、それぞれ家族ができたこともあって、家族同士で会えるようになった。ほんまそれが感動しちゃう。
日常の小さなことに感動しながら
—子育てをしながら働くお2人にとって、今、ご褒美のような時間といえば?
H うふふ。わたしはね、家庭菜園をやっている時間が大好きなの。最近また、畑のエリアを広げたり、また別の場所にファームスペースを作っている最中。DIYしたり、いろんなものを育てたりが、他の何よりも楽しい。
Y うらやましー! インスタで見たけど、ゴーヤも育てて、それを浅漬けにしてたやん。あれ、いいなぁと思って見てた。私は、子どもが寝静まった22時から夜中1時くらいがゴールデンタイム。そこでお風呂に入って髪の毛を洗うとか、お風呂上がりにビールを飲むとか、簡単にできることでいちいち感動してる。
H すごい! 眠くならないんだね。
Y うん、睡眠時間はめっちゃ短い。今は、大型犬の介護もしていて、抱き抱えて階段を行ったり来たりするし、夜に散歩に出かけたりもしてるから。でも、ひなのちゃんも生き物係、めっちゃしてるやん。
H わたしの場合は、気がついたら勝手に我が家にやってきたケース。山に住んでるので、いろんな動物がそこら辺にいて、レスキューに忙しい。
Y (笑)。本当に時間があるときだけ、ヨガをして、からだを伸ばして伸ばしまくる。ひなのちゃんみたいに上手にできたらいいなって思いながら。
H ヨガと瞑想は毎朝できたらいいよね。
Y 私は38歳で最初の出産をしたので、体力的に厳しいなと思うときはあっても、子どもから離れたいとは思ったことがないんですよ。それは、出産前にちゃんと自分の時間を謳歌したから。だからどこか外に行かなくても、家の中で自分だけの時間がちょっとでもあれば満たされる。育児と介護でからだは疲れるけど、心はすり減らない。
H よっちゃん、本当にいいママだと思う。ライフスタイルもガラッと変わって、それでいて昔の自分に未練がないのってかっこいい。
Y タフにはなったよね、お互い。私、いつかオーガニックファームをやりたいっていう願望がある。
H いいね、一緒に畑やろうよ!
Y 対談の締めが、「畑、耕そう!」って(笑)。
YOPPY
よっぴー/1980年生まれ、大阪府出身。青文字系のカリスマ読者モデルからキャリアをスタートし、90年代の原宿カルチャーを牽引する。雑誌『CUTiE』『Zipper』などをはじめ、モデル・タレント・歌手として活躍。現在は三児の母。Instagram yoyoyopico
photograph:KAZUTAKA NAKAMURA styling:AKIKO KIZU
hair & make-up:JUNJUN(HINANO), TOMOE ISHIKAWA(YOPPY)
model:HINANO YOSHIKAWA, YOPPY
text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年9月号より
配信: オトナミューズウェブ
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