地頭をよくする、日常の工夫とは?
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
日本では受験戦争が加熱していますが、最近ではテストの点が良いことがすべてではなく、“地頭が良い子ども”を育てる教育法を重視している家庭も出てきているように思います。
地頭が良い子どもとは、「子どもが主体的に生きることができ、挫折や失敗に負けることなく、自分の人生を肯定的に重ねていける能力のこと」だと私は考えています。
私は今夏にイギリスを訪れ、有名大学の見学や現地の子育て事情を取材。子どもが遊び力や社交性、スポーツに熱中する姿勢、芸術を愛する感性を育むことの重要性を実感しました。
そして夏休み。親としては大変な時期ではあるものの、子どもがこのような力を育めるチャンスでもあります。そこで今回は食育を研究する立場として、簡単なご提案を考えてみました。
家庭の食シーンの中でちょっぴり工夫をするだけで、地頭を鍛えることができたら最高ですよね。ここでは私が小学生の息子に実践している食体験のエピソードを厳選して3つ紹介していきたいと思います。
これらは私の実母がしてくれたことがベースとなり、食の専門家としてアップデートしたことばかり。重要なのは、ただ体験させるのではなく、親のちょっとした声かけや工夫。自宅で誰でも簡単に実践が可能です。自由研究のヒントにもなるかもしれませんから、どうぞ気軽にご覧いただければ嬉しく思います。
①おいしいジュースを自分で作る
ひとつめは、最近私が購入したミキサー(<TIGER EDGE>SLB-A100(タイガー魔法瓶))を使って、子どもが大好きな果物ジュースを作ってみるという体験です。
きっかけは私がウキウキしていた姿を見て、子どもが使いたくなったことでした。まずはなぜこの機器を選んだのかという理由をわかりやすく伝えることを意識しました。
斜め型という画期的な構造やスタイリッシュなデザイン性、子どもにも使いやすそうな安全性などが気に入っていることを説明。これは、モノを選ぶ際の視点を自然と身につけるヒントになります。
お題は、「とびっきりおいしいオリジナルジュースを作ろう!」にしました。
ミキサーの使い方を自分で調べながら使ってみる。旬の果物を選びながら、皮を入れる入れないを考えたり、果物のバランスを考えたりする。
私は子ども自身が正解を見つける姿勢を応援することに徹します。このように、ひとつの調理家電を使いこなせるようにすることは、さまざまな能力を育む総合学習につながると考えています。
【大切にしているポイント例】※カッコ内は育める能力
・親の自分がワクワクする(知的好奇心)
・なぜこのミキサーを買ったのかを説明する(思考力・説明力)
・失敗しないように指導しない(自主性)
・正解を決めつけない(想像力)
・質問したことは答える、わからない時は一緒に調べる(調査力)
②かつお節を削ってみる
続いては、やってみて子ども自身がもっとも熱狂した体験「かつお節削り」です。子どもは旨味に対する味覚が備わっていますから、削りたてのおいしさが理解できるはず。
削り器は、子ども用のキッチンツールを多く製造する貝印のものをチョイス。小さな手でも使いやすく、機能性や安全面において信頼がおける製品がオススメです。子どもの年齢によって教え方は異なりますが、まずは安全を最優先に。食材やキッチンツールに慣れていない子どもに「一人でやってみなさい!」は禁物です。
かつお節を握っていると、まわりのカビが手について茶色になるでしょう。この体験により「なんだこれは?」という疑問が芽生え、においをかいだり、この成分がいったい何なのか? を考える大きなきっかけになります。
また、子どもの関心事は親の想像とは違う方向に行く場合も。硬さが気になって、テーブルをトントンしたり、途中で削り節をつまみ食いしたくなるのが子どもの発想。このような行動を叱ることなく、楽しませてあげる寛容力を大切にしています。
【大切にしているポイント例】※カッコ内は育める能力
・かつお節がどうやって作られているかを最初から教えない(知的好奇心)
・においや触った感覚を体験させる(五感を育む)
・つまみ食いを叱らない(楽しむ力)
・どんな料理に使うのが良いか、一緒に考える(創造力)
・かつお節を削るのが本物、正解だという概念を植えつけないこと(柔軟性)
配信: 女子SPA!