③大好物なヨーグルトの食べ比べをする
最後は、普段からいろいろな食材で実践している「食べ比べ体験」です。
ここで大切にしているのは、子どもが好きな食材を選んで楽しく進めること。チーズ、ヨーグルト、だし、バニラアイスなど原材料がシンプルな方が取り組みやすいでしょう。ここではヨーグルトを5種類並べてみました。同時に比較しながら食べてみると、味や質感が違うことがすぐに理解できます。
ヨーグルトをどうやって作るのか? という疑問がわいてきたら、必要な材料や製造工程を伝え、材料や菌の違い、発酵環境などの話を“腹六~七分”を意識しながら説明するようにしています。
今回我が子は乳脂肪分と無脂乳固形分の概念を知って大興奮。ここで一つ注意したいのが、親の説明ボリューム。知りたい子どもに対しておなかいっぱいまでくどくど解説すると、かえって好奇心をそいでしまうことがあるので、ちょっと物足りないくらいがベター。
これを聞くと、「親として完璧に答えなければならない」というプレッシャーもなくなりませんか? 親が全部を知る先生だと思わせる必要はまったくありません。
【大切にしているポイント】※カッコ内は育める能力
・好きな食材で食べ比べをする(積極性)
・ヨーグルトの違いを体験する(味覚力、比較力)
・違いの理由を考えてもらう(考察力、分析力)
・むやみに分析表を描かせたり、親がゴールを設定しない(主体性)
今回の食体験はあくまでも一例。子どもの特性や興味によってアレンジして良いと思います。まずは気軽なところから、家庭の身近な材料や調理家電を使ってはじめてみてくださいね!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
配信: 女子SPA!
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